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ノエルタリア。
孤独になると、彼女のことが脳裏を占める。
考えてしまう、どうしても。
あの賑やかな道連れといると、いやでも面倒事が次から次へと降って湧くので、センチになるヒマもなかったのだが。
狂気にかられるまま、一時おれはわざと、命知らずな真似を何度かやってみたが死ねなかった。
こうなると強運なんだか凶運なんだか。
つまらなくなっておれは、無謀な行為をやめた。
理性が戻ったのだ。
ノエルタリア。
あの時のおれは、本当に無知なガキだった。
でも今は……今のおれなら、もしかしたら。
ノエルタリア。
ばかげた考えかもしれない。でも、ありえないことじゃない。
二百年のときを超えることがでたのなら……もしかしたら、遡ることだって!
いつか、そのうち、なにかのきっかけで!
今のおれになら、できるかもしれない。
状況をくつがえすことが。
あなたを救うことが。
一縷の望みを心に灯して、おれは生きることにした。
この、付録の人生を。