前へ目次 次へ 13/30 003-002 「ノエルタリア、何故……!」 ああ、おれは前にも同じことを口走った。 同じ思いで……絶望に閉ざされながら。 おれはノエルタリアと長兄の新床に踏み込んで、こう叫んでいた。 兄はベッドで、うつ伏せになっていた。 うす絹の天蓋に遮られているのでシルエットしか伺えないが、兄は確実に、死んでいた。 首の後ろに短剣をはやした人間が、生きていられるわけがない。 おそらく切っ先は、喉を突き破っているだろう。 純白だったシーツが、朱に染まり始めていた。 「何故だ……ッ!」