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孤独な王子と姫のお話。

自分が孤独を感じていた頃、できたお話です。

家族もいて、友人もいて、ひとりきりではなかったのに、孤独だった。

いまはそうでもありませんが、当時はこういう話をかくことが、必要でした。

いま、この話を必要としているひとが、いるのかな。

いないといいな、と思いますが。

もし必要なひとがいるなら、そのひとのもとへ、届きますように。

タイトルの意味は、最後にわかるしかけになっています。

といって、最後からよむなんてそんな反則は、いやよーん。

 おれはイーダス・レムノスクという。

 もっとも、おれをフルネームで呼べる人間など、今のこの世には、一人も存在してはいないのだが。


 二百年前なら、たしかにいた。

 しかし今はいない。

 だれにも教えたことがないのだから。


 おれはイーダスと呼ばれている。

 ただのイーダスだ。


 おれを快く思っていない連中からは、よく「赤毛野郎」とも言われる。

 この髪の色に由来することは明白だ。


 おれは、なんとも思わない。

 別段、腹も立ちはしない。

 もういい加減、慣れたからでもある。


 おれは、どこのだれよりも異邦人だ。

 だれのどんな思惑も、おれの感情の琴線にふれはしない。

 二百年もの時を経た、今のこの人生など。

 付録も同然の代物だからだ。


 ノエルタリア。


 この名の響きだけが、いまだに虚ろに木霊する。

 虚ろなおれの耳に。


 ノエルタリア。

 ノエルタリア・ナハシャザーレ。


 おれのすべて。

 誇り高き姫君。

 白い炎。おれの永遠の。


 運命の女。

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