表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

ステータス

 1 ステータス



 「ステータス!」 

 一様、言ってみた。

 おざなりな言葉に、たいした期待もなかったのだが…。

 ポンと、どこか気の抜ける音と共に、薄く淡い光がはじけた。

 「……ぁ」

 目の前に20センチ四方程度の板が現れていた。

 基本的な情報は、全て書き込まれ閲覧出来るようだ。

 「ありえない」

 何だこれは…私は暫し自失した。まるでゲームか小説だ。ただし、できの悪い。 

 だが、だがである。

 こんな場所で、こんな場合。

 ありえなく、馬鹿馬鹿しく、最悪すぎる現在、必要だ。あまりにも無力にすぎる私には、有用だ。情報というものは、千金に値する。

 自分の情報を丸裸にされるのは、本当に心底気持ち悪いが……。

 

 私は気をとりなして、宙に浮いた板を見つめる。

 右上から小さなタグがあり、それぞれに文字が記されていた。

 <ステータス>

 <アイテム>

 <装備>

 <システム>

 <ヘルプ>

 の、五つである。

 現在、記されている情報は<ステータス>だったが、最低限の情報しか見えていない。

 氏名にHP(体力値)MP(魔力値)レベルのみだ。それ以上を知りたければ、この板をどうにかして操作せねばならない様だ。

 めんどくさい。うんざりしながら、私は指先で板に触れようとした。

 目の前に確かな質感を持って、存在しているはずの板は、私の指を受け止める事なく、そのままつき抜けた。

 空をかく指に、ちょっとどころでなく頭に血がのぼる。

 せっかくのステータスが!恥ずかしさをこらえた努力が!水の泡!。ありえない!。

 板を手のひらで押し包んでも、殴り付けても、ひょっとして手以外なら良いのかと考えて、肘うちや膝蹴り回し蹴りを叩き込んだが、どれも不発だった。 

 ヘルプ機能さえついている筈なのに、つかえない。

 「何なの?助ける気があんのか!」

 私は吠えた。

 負け犬の遠吠えじみた、悪態だが言わずにはおえなかった。なまじ希望を持った分、気落ちもすさまじかったのだ。

 が、それがカギだった…と言うか正解だった様だ。

 またもやポンっと軽い音がした。そのあと続いて機械的な声が、問う。

 『助ケ ノ キーワードー 確認 シマシタ <ヘルプ> 機能 起動 シマスカ』

 と…。

 いちににもなく、叫んでいた。


 「起動!」
























評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ