第六話「先輩」
書きあがったから投稿。
ストックなんてないもんで次話は当分先になりそうです。
のんびりお待ちください。
気付いたら友と異世界
第六話「先輩」
エルフの村で過ごした二ヶ月で分かったことが多くある。
主に若返った肉体に関してだ。
試してみた結果、二週間、水一滴さえ飲まなくて動けた。
寝る必要さえなかった。
欲求がなかったわけじゃないが肉体的苦痛がなかった。
あと一つ分かったことがある。
頑丈ってことだ。
地面に伏して二日。
身動ぎせずじっとエルフたちが獲物を追い込んでくるのを待っている。
この方法で何度も狩りを成功させている。
だから待つ。ただひたすら待つ。喧騒が現れるまで待つ。
森の静寂を破ったのは最初は地響きだった。
地震か思うぐらい地面が揺れ始め、ナーニャの罵声と野太い雄たけびが聞こえた。
目の前の森が割れ、ナーニャが飛び出してきた。
そのまま俺を飛び越し一目散に逃げていく。そういう作戦だ。
追い込むか追われるか。違いはそれだけしかない。
待ち伏せしている俺たち誰かの所に獲物を連れてくればいいのだ。
声のでかさ、揺れのでかさ、足音のでかさ、これは今までで一番の獲物に間違いない。
何が出てくるか楽しみだ。
「むぎゅ」
気付いたときには俺の口からそんな言葉が出ていた。
さっきよりも濃厚な土の匂いを嗅ぎながら遠ざかる足音が聞いた。
何とか起き上がった俺は、デカイ足跡の中に俺の跡を見た。
踏まれたらしい。
「頑丈すぎるだろう俺……」
顔に張り付いた土を払い、足音を追った。
緑色の巨人。角が頭に二本生えている。
そいつがさっきから泣きそうな顔で俺たちを見下ろしている。
もうどうしたらいいのか分からないんだろうと思う。
デカさに物言わせて生きてきたんだろう。
自分より小さい俺たちにそれが通じなのだ。
振り回した拳は木々を折り地面に穴を開けるが俺たちは効かない。
拳を受けて地面埋まったりするが無傷である。
矢面に立つ俺たちがそんな感じだったから、緑色の巨人の戦意は見る見るうちになくなった。
最初は木かと思った股間にそそり立っていたモノが今や見る影もない。
エルフの尻追っかけてここまで来たのだ。そりゃ期待してただろうに。
しかし、対格差を考えろよ。串刺しにしかならないだろうが。
「リョウ先輩がんばってー」
「うるせーよ」
「きゃー、先輩に声かけられたー」
黄色い声援もどきが背中に掛かる。
カナメとエイである。
俺の背後に残りのメンツが体育座りで観戦している。
どうしてエルフたちまで体育座りしてるかな。俺たちに影響受けすぎだろうおまえら。
「ナーニャ、あとで説教だからな!」
「きゃー、先輩に声かけられたー」
「「「「「リョウ先輩がんばってー」」」」」
「誰だ仕込んだ奴! 巨人も相手してあげてさっきから泣きそうだから!」
思わず振り向いて叫んでしまったが、巨人の奴は及び腰のまま固まっている。
さっきからこんな調子でめんどくさい。
「そろそろ終わらせようか」
俺はそういって巨人に一歩踏み出した。
うわっ何それカッコイイとか今度真似しようとか中二くせぇとか聞こえるが無視だ。
無造作に近づく俺に向かって巨人は絶叫すると飛んだ。
見たくもない尻が俺に向かって落ちてくる。
「ボディープレスでもよかっただろうがああああ」
俺は自分の股間を押さえ右手を突き上げた。
PV200越えてました。驚きました。
ありがとうございます。
こんな作品でも楽しんでもらえたら幸いです。
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