第四話「ワン!」
早一ヶ月。書いて書き直してをちまちま繰り返してこんなに経っていましたw
では、お楽しみください。
気付いたら友と異世界
第四話「ワン!」
エルフの村には女しかいなかった。
スレンダーな長身かちんちくりんな幼女のどちらしかいない。
髪の色はカラフルで赤青黄色と信号もいれば金銀もいる。
美人揃いだ。
スキタイ風のローブが彼女たちにはよく似合っている。
目の保養には良い。
黙って立っていれば。
「何のプレイだよ」
俺はそう呟かずにおれなかった。
四つんばいで首輪をされたワンコスタイル。
毛布は取られまたもや全裸である。
さらに醜悪な顔で罵られている。
俺にこんな趣味はないというに。
俺たちは大樹を背にした偉そうな幼女の前に並ばされている。
幼女の横に護衛らしきやつが二人いて、俺たちの横にもそれぞれ二人いる。
そいつらが話してるんだがさっぱり分からない。
なにやら俺たち側のやつが熱く吠えているのだが、幼女は薄ら笑いを浮かべて聞いているだけ。
これがさっきから繰り返されている。
じっと状況待ちつつ目の前の美脚と堪能しているのだが、正直暇でしかたない。
痒いなと頭を掻こうもんなら石突きが飛んでくる。
別段痛くないのだが、事あるごとにやられるからうっとうしくて仕方ない。
「ワン!」
声の方を向くと腹を見せたヒデがいた。
「ワンワン!」
腹を見せたまま吠え続けるヒデ。
その腹に蹴りや石突きが飛んでいるんだが意に介さない。
状況を壊す気満々だ。
「ワンワンワン!」
「楽しそうに転がるんじゃねぇよ!」
ヒデのリードを持ったエルフは顔を真っ赤にして、必死でひっぱているんだがずりずり引きずられている。
それを見ては嬉しそうにヒデが余計に止めない。
ヒデの奴、気が済むまでやるつもりらしい。
「ワン!」
リードを持つエルフと目があったヒデが鳴いた。
からかいを含んだ声で。
ぽとりとエルフの手からリードが落ちた。
自分がからかわれていることを理解したらしい。
涼やかにエルフが笑う。
赤みの残った顔が艶っぽい。
エルフの足元に何かが集まったかと思うと、それは地面を巻き上げエルフの全身を包み込んだ。
ヒデの目の前に赤茶のゴーレムが現れる。
元はエルフなので細身だが、ゴツゴツとした厳つい姿は禍々しく彼女の怒りが具現化されたような姿だった。
エルフゴーレムはバックステップでヒデと距離を取ると右手を上げた。
そこにまた何かが集まりだす。
風が渦巻き光の玉が現れるとそれは雷槍なった。
ヒデをいえば地面に寝転がったままぽかんとしている。
ゆっくりと雷槍を振りかぶるエルフゴーレム。
顔はしっかりとヒデを捕らえたままである。
見えないはずなのにゴーレムの中でエルフが涼やかに笑ったままな気がした。
エルフゴーレムの動きが止まった。
ヒデの足元でエルフの時と同じように何かが集まり出したからだ。
それはエルフの時と違い、戸惑うように集まり霧散しては集まりを繰り返し、意を決したように一気に集まった。
ヒデがゴーレムになった。
エルフゴーレムと同じ赤茶だ。
同じなのは色だけ、ヒデのは厳つくも禍々しくもなく単に無骨なゴーレムだった。
エルフの行動をなぞる様にヒデはバックステップすると右手を上げる。
やはりその右手に何かが集まると雷槍になった。
エルフのときより早い。
鏡で映したように雷槍を振りかぶり止まる。
エルフゴーレムが何か言った。
エルフの手から雷槍が放たれ、ヒデの手からも雷槍が飛んだ。
二人の間でぶつかった雷槍は、一つは弾け飛び一つは大樹にぶつかり爆発した。
爆発の煙が晴れる頃、ワンコスタイルのままの俺たちと、女の子座りで腰を抜かしてるエルフゴーレムがいた。
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