第三話「反射的」
やっと投稿できました。
楽しみにしている人が少なくとも頑張ります。
次回いつになるか分かりませんが気長にお待ちください。
気付いたら友と異世界
第三話「反射的」
気が付いたら見知らぬ天井で、ごわごわした毛布らしきものが掛けられていた。
さーと血の気が引いたのを覚えている。
あの場所であのまま寝たか気を失ったのだ。
犬もどきに襲われた場所で。
慌てて周りを見渡したが俺しかいない。
といっても見えるのは木の壁だ。
外が見えるのは一面だけ、あとはすべて木の壁。
どうやら俺は木製の檻入れられているらしい。
上半身を起こしているが、もうこれだけだ頭が天井に届きそうだ。
「くそっ、今度はなんだよ」
「おーい、みんないるかーーー」
俺の声量はかなりのもんである。百メートルぐらいなら余裕で届く。
うるさい、おるぞ、いるよ、ほいと返事が意外と近くから返ってきた。
檻は並べられているかもしれない。
試しに声がした方の壁を蹴ってみた。
壁に穴が開いた。
やってしまったという感覚。
また何も考えずに行動してしまった。
もういい加減年考えろよと自分に言いたいのだが、四十になっても時折やってしまう。
とりあえず穴を覗き込むようにして声を掛けた。
「……大丈夫か?」
股間を押さえて蹲る人物。
木片が直撃したらしい。
自分の眉間に皺がよったのが分かる。
こういうことになってしまうのだ。
毎度のことながら俺が何も考えてないときの行動は被害が出る。
「……すまん」
「……頼むから考えろって」
下を向いたままヒデが答えた。
どやどや複数の足音が聞こえる。
外を見てみると駆けてくる足たちが見える。
「ほらみろ、何も考えてないから! 絶対騒ぎがでかくなる。めんどくさいわぁ」
「す、すまん」
痛み以外の苦痛を滲ませるヒデに、俺は謝らずにいられなかった。
このパターンはまずい。
俺、いや俺たちは経験上知っている。
面倒事の連鎖反応。
何も分からないこの状況でさらに訳分からないことが発生する予感。
一度ものすごい面倒事の連鎖があった。
ファミレスで痴話喧嘩に巻き込まれたら、表通りで正面衝突した車が弾かれ店内にダイナミック入店してきて、車と厨房から火が上がり火事になったのだ。
あれ以上は勘弁願いたい。
「おおう!」
檻に槍が突っ込まれた。
刺さってもいいって感じで。
檻が開けられた。
たぶん出て来いってことなんだろうけど、槍が俺を狙ってる。
俺は深呼吸すると毛布を腰に巻いた。
その間も槍から目を離さない。
やめてくれよと願いながらゆっくりと四つんばいで檻から出た。
「エルフだ」
カナメの声が聞こえた。
振り向くとヒデの後頭部が見えた。
その奥にカナメがいる。
俺たちは犬の品評会よろしく四つんばいで並ばされていた。
俺から見て、ヒデ、カナメ、エイ、ヒロ、ノリである。
背の順だった面白かったのに。
「おお、エルフだ、エルフ。金髪だ」
うわ言のような声。
目が爛々と輝いてる。
駄目だ、属性が暴走してる。
エサを前にした犬かよ。
尻尾があったら物凄い勢いで振られてるに違いない。
「カナメ、落ち着け!」
「お前が言うな!」
「す、すまん」
ヒデに怒られた。
しかしカナメが暴走するのも分かる。
目の前にエルフがいるのである。
ファンタジー世界に出てくるそのままに細身で尖がった耳に美形だ。
槍を構えて誰も友好的な目ではないが、それでも感動あった。
彼らが喋るまで。
言葉が通じなかった。
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……たぶん




