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ファルシオン学園の闘争記  作者: 玄野志向
第3章 第4・5試験編
41/315

Battle.36 VS体育祭!!

  現在の各チームの得点は



 第1チーム 168


 第2チーム 175


 第3チーム 156


 第4チーム 160


 第5チーム 243


 第6チーム 189


 第7チーム 206


 第8チーム 166


 第9チーム 184


 第10チーム192


 第11チーム156


 第12チーム179



 となっている。

 第5チームは3年学年主席がいるためか、やはり得点が高い。

 追うのは俺たち第7チーム。黎が今のところ1種目にしか出ていないのがマイナスだ。

 一方リースは全ての種目に出ている。完全に点を取りに来ているな……



 次の玉入れは黎が参戦する。リースと黎、2人が対決することになる。





 ★☆★☆★☆





「……へぇ、彼女が出ているのか」


 リースは、黎が出場すると聞いて微笑を浮かべる。


(彼女の力を見てみたいね……)




 玉入れが始まった。

 リースはあえて全力は出さずに黎の様子を伺っていた。


 一方黎は、深呼吸をして気持ちを落ち着かせると……



 無詠唱でイプシリアスを使用した。

 蒼白い光が落ちている玉に宿り、瞬間移動させた。

 一瞬にして全ての玉が入ってしまい、勝負はついてしまったかに見えた。



(へぇ、イプシリアスか……やはり凄いね……だが!)


 リースは風属性の魔法を使用し折角入った第7チームの玉を飛ばそうとする。


 リースの魔力解放に気づいた黎はとっさに障壁を張る。

 リースの魔法は簡単に弾かれ、黎の障壁が勝った。


(ほう、ならば……! インディグレード!)




 ――――――――――――――――――――――――

 インディグレード


 上級攻撃魔法。


 雷属性中級攻撃魔法インディの強化版。

 インディよりも攻撃力が増しており、実際の落雷の1/60まで威力を上昇させられる。


 ――――――――――――――――――――――――




 しかし、リースが放ったその魔法ですら黎の障壁はピクリともしない。


(……馬鹿な!? かくなる上は……!)


 リースの周りに風が集まり、強力な魔力がひしめき合う。

 リースは全力で魔法を放とうとしている。

 リースをよく知るルシフェルや生徒会役員はそれが異常なことだとすぐにわかる。


 リースが。

 1年生相手に。

 全力の魔法を。


 止めようと生徒会副会長が口を開きかけたが、同時に競技終了の笛が響いた。


「……いかん、つい熱くなってしまったな……」


 リースはあたふたしている副会長を一瞥しクスリと笑うと、背を向けて自らのチームに戻っていった。





 ★☆★☆★☆





 俺の出番がやって来た。

 競技は棒倒し。もっともカオスになりうる競技だ。


 やはりここでもリースが出場。黎は残念ながら参加していない。


 棒は12本立っており倒されたチームは敗北、行動できなくなる。

 倒せば倒すほど得点が入り、11本の棒が倒れたら終了となる。




 そして試合開始。

 開幕直後からリースは魔法を発動させようとしている。


「全てのエレメント合わさりし時、世界は打ち消され無へと帰す。

 その力、地上にひと度顕現すれば大地を消す。

 願わくば、その力抑制し顕現せん……! アポカリプス!」



 リースは詠唱を止めると魔力を解放する。

 空に虹色の美しい光が現れ……


 突如、炸裂した。




 ――――――――――――――――――――――――

 アポカリプス


 超上級攻撃魔法。


 全ての属性の魔法を一ヶ所に発生させる事で、属性の反発力を飛躍的に上昇させる。

 その反発力を利用し大爆発を起こす、現最強攻撃魔法。


 ――――――――――――――――――――――――




 物凄い爆風が巻き起こる。


「え、ちょっ、あれインチキじゃねぇ!?」


 そんな生徒の声が聞こえ、消えていく。

 これはインチキではない。何故なら、棒倒しは例外的に……



『多少なら危害を加えても良い』のだから。

 当然、その規定を上回らない程度に威力を制限しているのだろう。



(はっ、しまった、棒!)



 俺は直ぐ様棒に駆けつける。幸い、まだ爆風は及んでいない!


「ぬおおおお!」


 本来数人で支えるべき棒はやはり重い。

 それに爆風が来ているのだから、支えるには相当な力が必要だ。


 爆風に体が飛ばされかけるが何とか踏ん張る。

 棒が倒れかけるが全力で支える。



(畜生……!)



 腕が重い。体が悲鳴を上げる。


(あー……ヤバイわ、これ……)


 助けてくれ神様。いや、俺が神だけどさ。

 無意味な神頼みが叶ったのか、爆風が緩まる。


(終わり……か?)


 爆風が収まる。気を抜いて、膝をついてしまったのが間違いだった。

 爆風に巻き上げられた砂が幕となり視界が開かなかったが……


 目の前にリースがいたのだ。


「ヤベ……」


「これで終わりのようだね。

 しかし、いくらエンゼルアッパーを使用しているからって棒を1人で支えるとはね」




「――――――予想外だったよ」


 リースが人差し指で柱を小突くと、勢いよく柱が倒れた。




 ――――――――――――――――――――――――

 鬼の一撃


 中級攻撃魔法。


 人差し指にエネルギーを凝縮させ放つ魔法。

 しかし凝縮しただけで増加はしないので、実戦には向かない。


 ――――――――――――――――――――――――




「くそっ……! 強えぇ……」


「お疲れさまです、空也さん。

 空也さんの次の出番はサッカーですね……その時は私もいますよ。一緒に頑張りましょう!」


「ああ……でもアイツもいるんだろ? どうすれば……」


「大丈夫ですよ空也さん。……此方には、秘策があります」





挿絵(By みてみん)

次回予告


最後の競技でリースへのリベンジを狙う空也。黎の秘策とは…?

そして体育祭の結果は!?



次回 Battle.37 VS体育祭っ!!



「サッカーの基本は魔法じゃないぜ…?」

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