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ファルシオン学園の闘争記  作者: 玄野志向
第2章 デス・レーベル編
31/315

Battle.27 VSハウエル・ソル・黎・キャロン

 あいつってそんなにゲーム得意だったのか」


「ま、俺には関係ないな。さぁ空也!!入るぞ!!俺の相手はお前だけだ!」





 ★☆★☆★☆





 中に入ると、雰囲気溢れるカウボーイのいそうな景色が広がっていた。

 おそらくエルフの魔法等で作ったんだろう。


 隣にハウエルの姿はなく、どうやら別々な所に飛ばされたようだ。

 辺りには銃声が響く。流れ弾が建物に当たると建物が一部壊れる。

 決闘フィールドみたいなものなのか?


 俺の腰にはホルダーが巻かれており、その中に銃が2丁入っている。

 俺はそれを抜き構える。


『新たに4人のプレイヤーが入場しました。』


 やってる最中にも入ってこられるのか。それで記録を伸ばすわけだな…





 ★☆★☆★☆





「念を押しておきますが…わたくしは決してこのゲームが目当てな訳ではありませんわよ。

 まったく、何でわたくしがこんな…(ワクワク)」


「わかってますよキャロン様。」



 話しているのはキャロンとそのお付き、フォルス。

 キャロンはゲームをやったことがないのだが、ふとしたことから興味を持ち

 アルカ・フォルス・黎とともにゲームセンターまで来たのだった。



「さて…ここではわたくし達は敵なのですし、先ずは別れますわよ。

 では、幸運を祈るわ。」



『新たに1人のプレイヤーが入場しました。』





 ★☆★☆★☆





「フフフッ、新記録を樹立してやる…!!」


 新たなプレイヤーはソル。

 すでに相当な記録を保持するソルの賞金額は圧倒的。

 それを知り、多くのプレイヤーがソルに近寄ってくる。


「甘いわ…!!」


 ソルは2丁拳銃を抜くと、回転しながら周囲の敵を撃つ。

 寸分狂わず周囲のプレイヤーの頭部を撃ち抜く。

 そのうち2人は既に4発喰らっていたようで、ゲームオーバーで会場から消える。


「ふふん、実際の銃じゃ反動があってこうはいかない。そこが良い!」





 ★☆★☆★☆





「とりゃ―――!!」


「きゃあ!?」


 黎は突然の襲撃を間一髪回避した。

 その主を見ると、キャロンのお付き、アルカだった。


(最近、キャロン様のお付きとしてお側できないのは…

 この子がキャロン様とやたら一緒にいるから!お仕置きよ…!!)


 アルカは黎の頭部めがけて引き金を引いた。


 ピーーーーーーー…



 被弾を告げる警告音が響く。だが、被弾は黎ではない。


「なっ、貴方は…!?」


「空也さん!!」





 ★☆★☆★☆





 俺が大分ゲームのやり方を覚え3人ほど倒したところで、

 驚くべき事に黎の姿を見つけた。

 銃を向けられていたので、つい反射的に庇ってしまい、一撃被弾。


 すかさず俺は2丁拳銃で1発ずつ頭部に撃ち込む。

 黎を狙った女子生徒は2発被弾。不利と判断した女子は俺から逃げる。


 逃げる女子に更に2発撃ち込む。残り1発だが、撃ち漏らした。


「空也さん、何でここに?」


「遊びに来た。黎こそ、何でここに?」


「キャロンさんに誘われてきたんです。このゲームを選んだのは私ですけど…。」



 パァン!!


 黎のセンサーが反応する。誰だ!?


「れ、黎さん!?」


「キャロンさん…?」


「そ、その話は他言無用といったでしょう!?」


「あれ、そうでしたっけ…」



 キャロンは引き金を引く。同時に、俺も引き金を引く。

 キャロン、黎のセンサーが鳴るが、キャロンの標的は今は俺だな。



「…そういえば、貴方と力比べしたことはなかったわね。」


「そういえばそうだな。ま、この場での戦いが正確な力の差にはならないがな…。」





 ★☆★☆★☆





「まったく…黎の兄だっけ?過保護すぎるわ…」


 残りライフ残量1のアルカが呟く。

 今は建物の裏に来ていて、誰にも見つかっていない。

 …今は、の話だが。



 ザッ



「!」


「よくライフが少ないプレイヤーがここに隠れるんだよなぁ…」


(ヤバ…)


 パァン


 アルカはゲームオーバーとなり、会場から消えた。


『ソル=フラバー $ 3685436

  ↓

 ソル=フラバー $ 3687439』





 ★☆★☆★☆





「く…完敗ですわ…」


 キャロンはゲームオーバーになり会場から消える。


「おや珍しい。空也に黎様。こんなところで会うとは…」


「お、へっぽこソル君じゃないか。…何てカオスな顔ぶれなんだ!」


「ちゅーわけで、さいなら空也。その記録も俺が貰うよ。」



 パァン


 しかし被弾の警告音は聞こえない。俺が弾丸を避けたからだ。


「弾丸避けだと…!?」


「ぬおおお!!」


 俺は一気に距離を詰め、ソルの頭に銃口を当てる。

 だがさすがは記録保持者か、ソルも俺の動きと同時に俺の頭に銃口を当てる。


「ふっ、俺はまだ一撃も被弾していない。ところが空也。お前は一発喰らっている。


 俺が四発撃ち込む早さと、お前が五発撃ち込む早さ。

 どっちが早いかやってみるか?」



「望むところだ…!」



 パァンパァンパァンパァン!!

 パァンパァンパァンパァンパァン!!


「やっぱソルのが早かったか…」


 俺は四発被弾して消える筈だった。が、消えたのは目の前のソルだった。


 どういう事だ…?俺は四発しか撃てていないはず…

 消えたソルの代わりに立っていたのは…ハウエルだった。


「フッフッ…今度こそ俺の勝ちだな!!」


「あー…それっぽいな…」



 パァン!!





 ★☆★☆★☆





「あーあ…欲張るからだよ。あそこで切り上げておけば最高記録だったのに…」


 結局ハウエルは欲張って記録増加を目指すうちに他のプレイヤーに撃破され、一気に記録が0になったのだ。


「いんだよ。お前に勝つのが目的だったんだから。」


 あくまで目的がぶれなかったハウエルの面持ちは清々しかった。


「さぁ!敗者は学食を一食奢る掟だ!!」


「うぇ!?んなルールいつ定めた!?」


「今だ!」


 ハウエルは走り出す。夕陽をバッグに、ハウエルの姿が影になっている。

 俺は同じく走り出した。



「いいのか?そのルール、お前にも適用されるぞ?」


「うげ!じゃ、じゃあそのルール廃止で!」





 俺たちは寮に走った。




挿絵(By みてみん)

次回予告


デス・レーベル解散と共に停学になった久城。

久城が帰ってくるまでは風紀委員がいないことになる。


そこで臨時風紀委員として選ばれたのは空也だった!?


次回 Battle.28 VS揉め事



「冗談じゃない、俺は嫌ですよ」

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