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ファルシオン学園の闘争記  作者: 玄野志向
第1章 入学編
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Battle.11 VSアメジスト生徒

 今日は第1試験の結果発表があるんだったな。

 たしかクラスごとに廊下に張り出されてたんだったな。



 トパーズクラスの前では、喜び飛び上がるもの、頭を抱え嘆き悲しむもの、チラリと見て去っていくもの…。


 どれどれ、俺の成績は…っと。

 84…!!1次が12だったから、72点も取れたのか!



「どうやら合格のようですね、空也さん」


 見ると、ルシフェルの姿が。


「ああ。おかげさまでな。

 …アメジスト生徒から奪ったってのは結構効果的だったのかもな。」


「そうかもしれませんね。」




「よっしゃあああああーーーーーーーーーーーっ!!」



 強烈な声が響く。

 この声はハウエルだな。あいつも合格したのか。

 …まぁ、俺の1次の点数を笑ってたから当たり前か。



 すると、紫色をベースとした制服を着た柄の悪い男子生徒…アメジストの生徒が通りかかった。



「やれやれ…第1試験合格程度で此処まで浮かれるとは、

 流石はトパーズクラスだな。」



 全員がアメジスト生徒のほうを向く。


「な、何だと!!」


 トパーズ生徒が激怒する。

 当たり前だな。俺だって腹が立つ。



「本当のことを言って何が悪い。

 トパーズのバカがバカだと言ったまでだ。」



「てめぇ…いい加減にしろよ!!」


 トパーズの1人が殴りかかる。



 ガッ



「いてててててっ!!」


「…やめろ」



 トパーズの生徒を止めたのは俺。


「…ふん。どうやらトパーズクラスにもまともなのはいるようだ。

 それに引き換え、お前は相手が誰かも分からずに…バカが。」



「放せよ、小泉……!!」


「悪いな…うちのクラスの生徒が。

 …だが、正直俺もお前を殴ってやりたい。」



「何だと…?」



「アメジストクラスといえば色々と治安が悪い事で有名だ。

 ダイアモンドクラスに勝てるわけでもない。

 だが学年で2位という事に甘え、勝とうとすることすら諦める。


 そのくせダイアモンドクラスに負けているという事が許せず、自分たちよりも下のクラスを蔑む。


 そんな低俗な腐れたクラスに他のクラスを蔑む権利があるとでも思ったか?

 せいぜい尻尾巻いて帰って勉強でもしてろアホが。」



「ぐぐ…てめぇ…トパーズクラスの分際で!!

 いい気になってんじゃねぇよ!!」



 アメジストクラスの生徒は掌の上に炎の弾を作り出す。

 そしてそれを俺に向けて投げつけた。



 だが残念ながら…そんなものに当たるほど俺はトロくない。

 簡単に回避してアメジスト生徒の首筋を掴み…背負い投げで放り投げた。




「ぐぅっ!?」


「魔法を校内で使用するのは校則違反だ。

 一緒に風紀委員会まで来てもらうぞ。」


「くそっ、離せ!!」


 ジタバタと暴れるアメジスト生徒。

 しかしそんなもので俺の拘束から逃れられるわけもなく、あえなく風紀委員室へと御用。



「失礼しまーっす」


「くそ、離せって言ってるだろ!!」


「こいつが俺に向けて炎の魔法を行使した。

 校則違反なんで、取り締まってくれないか。」



「……わかった。」



 風紀委員室の中は特に何もない。

 あるのはソファと観葉植物と棚くらいだ。


 ソファから立ち上がったのは白髪の男。

 俺と同じくらいの背で、高校生くらいだろうか?


 灰色ベースの制服を着ていることから、黎と同じダイアモンドクラス生徒だと思われる。



「協力を感謝する。俺は久城(くじょう) 透矢(とうや)

 風紀委員会委員長であり、唯一の風紀委員だ。


 どういうわけか、風紀委員に入りたがるヤツが少なくてな。

 お前、風紀委員に入らないか?」



 俺と久城が会話している隙に、アメジスト生徒が逃げようとするが、アメジスト生徒は久城にあっさり確保される。



「いや…遠慮しておく。

 その、何というか…風紀委員にはあまりいい思い出がなくてな。


 代わりに、俺の周りで校則違反者がいたら、今回みたいにしょっぴく。それなら仕事も多少楽だろ?」



「そうだな。また何かあったら協力してくれ。」





 ★☆★☆★☆





 まずいな。

 ホームルームが終わっちまった…。


 1時限目に間に合うかどうか…いや、間に合うよな!!



 キーンコーンカーンコーン



 畜生!!

 全然間に合わなかった!!



 ガラッ



「すいません!!遅れましたぁぁぁぁっ!!」




 俺が教室に入った瞬間、拍手が巻き起こる。

 何何!!? 俺が遅れたから、嫌がらせのドッキリ!?



「さっきはありがとな、小泉!」


「胸がスカッとしたぜ。ざまぁ見ろって感じだな!」


「あいつも結局、風紀委員送りだろ?

 暫くは黙ってるだろうな!」




 …あぁ、何だ。そんな事?


 びっくりしたー…一体何事かと…。




「あれ?…でも、風紀委員って具体的に何をやるんだ?」


「あぁ、以前俺が捕まった事あるぜ。

 反省文を原稿用紙20枚くらい書かされて…


 しかも、「そんなに書けるかっ!!」って言ったら…」





 ★☆★☆★☆





『あぁ?書けない?

 …別に書かなくてもいいぜ。

 ただし、代わりに俺の訓練に付き合ってもらう。


 最近はあまり魔法剣を扱っていなかったからな…。』




 で、最近使ってないとか言ってたから、訓練に付き合ったんだけど…それがスパーリングだったんだよ。



 そしたら馬鹿みたいに強くてさ、まるで魔法も攻撃も当たんねぇ。


 で、一方的に木刀で叩かれて解放された。


 どうやらあの人、2年生の学年主席らしいんだよ。

 だからあの人に逆らいたがるヤツは少なくとも1,2年にはいないな。






「ほぇー…そんな人だったのか。」


「ああ。だからお前の今回の仕事で、暫く俺らは甘く見られるんじゃないかな!!」


「いや、校則違反は普通にダメだろ…」




「あのーー……




 授業、始めていい?」



挿絵(By みてみん)

次回予告


第1試験の勢いに乗り、第2試験に挑む空也達。

しかし第2試験の内容はよりにもよって…


次回 Battle.12 VS第2試験


「そこであんたに依頼だよ」

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