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ファルシオン学園の闘争記  作者: 玄野志向
第1章 入学編
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Battle.9 VS激辛カレー

「もう一度聞いていい?………カレー?」


「そうよぉ。」



 目の前にいる…無駄なフェロモンを放ち続ける金髪の女教師。


「皆が引いたのはドボンゲーム…

 つまりまともな試練じゃないわよぉ?」


 ゴトッ、という音を立ててテーブルに置かれるカレー。

 とにかく…赤い。


 全員がズザッ、と後ずさりした音が響く。



「これ…食用、ですよね?」


「そうよぉ、一応。デスソースを15cc程かけたけどねぇ。」



(なぁなぁルシフェル。デスソースって何だ?)


 ハウエルが後ろでなにやらルシフェルに質問している。


(デスソース、というのは数種類ありますが…

 だいたい、タバスコの10倍~30倍ほどの辛さまであると聞きます。)


(殺す気かよあの教師…!!)




 まずは小手調べ…と一口、口に含んでみる。


 最初のうちは舌にカレーの旨みが広がる。

 すると徐々に…徐々に辛さが現れ、すぐに激痛へと変わる。

 急いで飲み下すが、口の中の痛みは消えない。

 そのうえ、飲み下したとき通った喉にも激痛が走り続ける。




「…ぎゃあああああああああああああ!!

 か、辛っ!!てか痛い!!痛い痛いイタタタタタタタ!!

 水…水をくれ!!」



「残念だけどぉ…水は無いのよぉ。」


 道理で皆倒れてるわけだ…!

 この教師絶対Sだ…!!ふざけやがって!!



「空也さん、口あけてください」


「え?…あーん」



 口を開けたら、何か勢い良く放り込まれた。

 これは…氷か?そうか、辛いカレーを食って苦しんでる俺を見て…黎は本当に優しいな…。




 ……ん?

 この氷、やけに口に貼りついて…



 …いたたたたたたた!!口に張り付いてやけに痛い!!



「ぐはっ」


「あれ?どうしたんですか?」


 俺が吐き出した氷には俺の口の内側の粘膜やら鮮血やらがついていた。


「ドライアイスってのは口冷やすもんじゃないから!!

 舌にくっついたりしたら重症だからね!!?」



「そ、そうなんですか…すみません…」





 ★☆★☆★☆





 とりあえず今のごたごたで辛さの緩和には成功したようだ…。

 しかし口の中に多大な被害を受けた。



「口の中を負傷した状態であんなの食ったらそれこそ大惨事だ。

 だから暫く俺は食えない。代わりに誰か逝け。」



「…では、僕が試してみましょうか。」


 ルシフェルはスプーンを手に取り、カレーを口に運んだ。


「これは…確かに辛いですね。

 これを一杯全て食べるのは至難の業でしょう。」


 全然辛そうじゃねぇ。

 ドS教師もつまらなそうだ…。



「じゃ、次はハウエル。」


「くっ…やっぱり順番で行く気か…」



 パクッ



「く…あれ?そんなに辛くない…

 …いやっ、辛い!!辛い辛い!!ぎゃああああ!!水!!」



 予想通りだ。

 やはり全員辛さに特別な抵抗は持っていなさそうだ。



 じゃあ…。


 俺はハウエルとアイコンタクトをとる。

 ハウエルは理解したようで……ソルを羽交い絞めにする。



「なっ!?何しやがる!?」


「ククク、悪く思うなよソル…さっきの恨み(2次試験中に襲ってきたこと)

 とさっきの恨み(黎の事をまな板呼ばわりしてとばっちりを受けたこと)だ!!」




 俺はカレーとスプーンを持ってソルに近づく。

 こうなれば何が起こるかは容易に想像がつくだろう。



「や…やめろおおおおおおおおおおおおおおおお!!」





 ★☆★☆★☆





 何があったか、詳しい説明はしないでおこう。

 だが今の行為でカレーの3割が無くなった事だけは言っておこう。


 …そして、ソルが戦闘不能になった事も言っておこう。

 黎の魔法で精製した氷も無効だったようだ…恐ろしい。




「さて…じゃあどうすっかな…

 俺は口の中が剥がれてるからムリ…ソルも戦闘不能…

 ハウエルとルシフェルも辛いものに体制は無し…。

 でもなぁ、女性陣もムリだろ?」



「え、ええ。わたくしはこういうものはちょっと…」



「だよな。じゃぁどうするか…」



 カチャッ


 スプーンと皿がぶつかった音が響いた。

 カレー皿のほうを見ると、黎がいた。



「黎…やめといたほうがいいぞ。本気で辛いぞ」


「そ、そうなんですか…?で、でも私も少しくらい手伝いを…」


「やめろって!そんな芸人にやらせるようなこと…!!」




 パクッ



「「「あ………。」」」



 暫し静寂。


「だ、大丈夫?黎ちゃん?」


「黎、やばかったら吐き出したほうがいいぞ。」



 そして再び間が開いて…



「…あれ?」


「ど、どした?黎。」



「…そんなに辛くないです」



「「「「えええっ!!?」」」」



 しょ、正気か!?あんな辛いのに!?

 ドS教師も驚きを隠せない様子だ。そりゃそうだ。


 その後も黙々とカレーを食べ進める黎。


 そして…



 カタンッ


 スプーンが置かれた。

 しかし、全て食べ終えたわけではない。



「ど、どうしたんですの?」


「ご、ごめんなさい…お腹がいっぱいで…」



「「「「えーーーーーーーー!!」」」」



 馬鹿な!!折角の主力がぁっ!!



 だが残るは1割程度!!これなら…





「うう…何か酷い目にあったような…」


 ソルが目を覚ました。

 俺とハウエルはアイコンタクトを取る。


 そしてソルは再び羽交い絞めにされる。



「…オ・マエ・ラ・アトデ・ゼッタ・イ・コロ・ス」



「はーい、これにて第1ゲームは終了よ。

 では次の場所に向かってねぇ~。」





 抽選の結果、第2ゲームは湖を沿って歩いて2分程度の場所らしい。

 ソルを担いで、次の場所へと向かう。



挿絵(By みてみん)

次回予告


第2ゲームの会場へと向かう一同だが、いつの間にかルシフェルが消えていた!?

急いでルシフェルを捜す一同だが…


一方、ルシフェルはアヴァリオン・マウンテン山頂付近に来ていた。

その目的とは…



次回 Battle.10 VS捜索活動


(まずは1つ…)

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