#9 僕と君の関係
あれから、神崎雫は僕のために毎日弁当を持ってきてくれた。なんで僕にそこまでしてくれるのかが本当に分からない。そこまでする価値があるのだろうか?
弁当はクラスで食べている。ということは必然、クラスメイトに見られているということになる。つまりだ、僕と神崎さんが付き合っているなんて噂が広まりつつある。僕と神崎さんが釣り合うわけないだろ……向こうから僕に絡んでるってのに、僕が原因みたいに言われている。まぁ、どうでもいいこと……か。
「ねね、遠足の班決まった〜?」
朝、教室に入ると神崎さんに話しかけられた。もうだいぶ慣れてしまったな……。
「いんや、まだ決まってない。そっちは?」
「うーん、まだかな」
「その原因って、僕がいるから?」
「え? いや、違うよ?」
あわあわと、それを否定してくる神崎さん。どう考えても僕が悪いのに。
「そんな遠慮しなくていいんだよ、僕なんかに遠慮することは何一つないし」
「いや……ほんとに違くて、その……」
珍しく、戸惑っている神崎さん。いつもはこういうことはあまりしないので、なんだか新鮮さが出ている。
「ねぇ雫〜、そいつなんかより私たちの班に来なよ〜」
神崎さんと話していると、神崎さんの後ろから近藤美智子が話しかけてきた。
それにしても、なんだか妙に馴れ馴れしいな……
「いや……私は……」
「そんな陰キャなんかよりさ〜、私たちとの方が楽しいでしょw」
まぁ、それは実際事実なのだろう。僕なんかじゃ、人を楽しませられないし……何よりも、人を信用していない。だから、必然的に人と関わる資格なんてないのだ。
「それでも……私は……」
「なぁ、いいっしょ?」
神崎さんと肩を組む近藤。神崎さんは嫌がっているようだが……生憎と、僕は止める勇気なんか出ない。
さっさと離れよう。僕は、神崎さんが何か言う前にその場を離れたのだった。
はぁ、どうするか。遠足は行かなくてもいいんだが、問題はそこじゃない。この後の神崎さんとの関係だ。……あれ、なんで僕、神崎さんと関わろうとしているんだ? 別にもう良くないか、ここで終わらせても。そうだ、冷静に考えたら僕と絡むなんておかしな話なのだ。何か……裏があるとか、企みがあるとしか思えない。そのくらい、僕と絡むのはメリットがない。だって、興味なんかで僕と近づく人はいなかったから。これまで、僕は人に利用されてきた。だから……終わりにしよう。かな




