#5 僕は誘われ、君も誘われる
登校2日目、早速授業が始まるらしい。こう見えて僕はちゃんと授業を受けている。そして、ホームルームが始まった。
「今日から授業が始まります。皆さん、休まずに来るように。それと、再来週に遠足があるので班決めをお願いします。班の人数は3人です」
それだけ言って、先生は戻って行った。
遠足、か……いい思い出がない。僕はいつもハブられる。そのせいでいつからか遠足という行事に行かなくなった。
「神崎さん〜、一緒に行こ?」
「え〜? 班決めるの早くない?」
後ろで、そんな声が聞こえた。
「でもさぁ〜、もうちょっと仲良くなってからの方がいいじゃん?」
「うーん、そういうものかなぁ……」
「そういうもんでしょ?」
僕には関係の無いこと、かな。そう思い僕は教室を出ようとする。その時
「私は空くんと組むって決めてたの〜!」
『は……?』
ここにいた全員が声を揃えて言う。その一員に、僕もいた。
「なんでそんな陰キャと組むわけ?」
「そうやって決めつけるのは良くないよ。それに、まだ始まったばかりだよ?」
「それは……そうだけど」
一気にクラスの空気がどんよりとする。なんでこうなんだよ……
「僕の了承は?」
「え? 私と君の仲でしょ?」
「いやいや、そんな何年も一緒にいたら友達じゃないし、そんな仲じゃないよ」
「え〜……」
悲しそうな目で上目遣いする神崎さん。
「そんな目されたって……」
「そ、じゃあいいや」
はぁ〜っと、呆れたようなため息を出し、神崎さんに絡んでいた2人組は移動教室に移動した。
「……何してくれてんのさ」
「だってさぁ、空くんが陰キャって言われるのが……」
「そこじゃねぇよ、なんで僕なんかを遠足に誘うんだ? それに、あと一人必要じゃないか」
「ん〜、そこは何とかするよ」
にこっと、優しく微笑む神崎。正直その笑顔は反則だと思う。
「とにかく、だ。学校ではあまり僕と関わらないでくれ」
「なんで?」
「目立つと困るからだ」
「困るって……何が?」
どうやら、察しが悪いみたいだ。簡潔に教えてあげるとしよう。
「困るっていうのはな、物事に対して……」
「そこじゃないし!!」
べしっと、おでこをチョップされる。計画通り。
「あ、そろそろ授業が……」
そろりそろりと抜け出す。
「む……まあいいや、授業頑張ってね!」
そう言って、手を振って去っていく神崎。
「……とんだ災難に巻き込まれた」
はぁっと、少し溜息を零したのだった。




