#4 僕のご飯と、君の能力
紆余曲折ありながらも、僕はなんとか家にたどり着いた。
「今日は散々だ……」
ガチャリ、と玄関を開ける。当然、家には誰もいない。
僕は荷物をおろし、風呂に入る。特にやることがないので、風呂に入ってからぼーっと座っているだけだ。
「スマホ……か」
そういえば、と思い出した。スマホねぇ、僕はあまり興味はない。けど、友達がもしできたなら買うのも良さそうだ。もしもの話だが。
そんなこんなで、僕はベッドに寝転がる。食事はまだいいかな。お腹すいてないし。
そして、朝になる。少しだけ何か食べていくか。ちなみに冷蔵庫はない。食べ物を必要な時しか買わないからだ。テレビもないし本もない。
コンビニにたどり着く。コンビニに入るのは久しぶりだ。
「まぁ、おにぎりでいいか」
僕はおにぎりを手に取る。
「あ、空くん?」
手に取ろうとした瞬間、声が聞こえた。その方向に振り返る。見ると、神崎雫がいた。
「神崎さん……」
「やっほ〜、空くんもコンビニ寄るの?」
「まぁね、久しぶりだけど」
ていうかまだ2日目だよね?なんでそんなに馴れ馴れしいの?と、僕は心の中でツッコミを入れる。
「おにぎり一つだけでいいの?」
「うん、これだけでいい」
「それじゃ栄養足りないよ〜?」
母さんかよ。
「別に平気だよ。1週間食べなくても生きれたから」
「……え?」
少し引き気味の神崎雫。なにかまずいこと言ったかな。
「ちなみに今は何日食べてない?」
「ん〜、4.5日かな」
「…………」
あれ、みんなって毎日食べてるの?僕がおかしいの?
「……わかった、私明日から空くんのお弁当作ってくる」
「え? なんで?」
僕がそう言うと、神崎さんは
「いいから! 私が作ってくるから食べなさい、いいね?」
「あ……はい」
僕は何も言い返せなくなり、了承の返事をしてしまった。
「それにしてもなんでそんなに食べないわけ? なにか理由でもあるの?」
二人で並んで歩きながら、学校に向かっている。
「いや、特には無いかな。お腹すいた時に食べるだけ」
「じゃあ、空いた時に食べるものは?」
「おにぎりとか、カップラーメンとかかな。というかなんで神崎さんは僕にそんなにしてくれるの? まだ2日目だよね?」
初日から疑問に思っていた事を投げかける。本当になんで僕なんかにそこまで……
「ん〜、なんて言うんだろ。私ね、誰かが辛そうにしてると、無性に助けたくなっちゃうの」
そんな人、本当にいるんだな。
「僕、そんなに辛そうにしてた?」
自分では顔には出さないと思っていた。だけど、神崎さんの言葉は僕の思っていた言葉ではなかった。
「辛そうにしてた……っていうよりも、そういうオーラがあったから」
「オーラ?」
「うん、私ね、他の人のオーラが見えるんだ。で、君のオーラは灰色、辛そうだなって思ったの」
何その能力、地球に能力とかの概念があったことに驚きだ。
「でも、僕に絡むとろくな事にならないよ」
「それでもね」
くるり、と僕の方向に振り向いて
「君を、助けたくなっちゃったの」
……あぁ、わかった。この子はとんでもない……お人好しなんだ。




