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僕の好きな女の子は夢の中だけ会える!

作者: 七瀬








僕は夢を見るのが好きだ!

特に今は、僕の夢の中に僕の好きな女の子が現れる。

毎日、夢の続きを見るんだ!

彼女と会っている僕が好きだし、彼女を見ている僕が好き!

冴えない現実の僕は、何処に行っても居心地が悪く生きた心地もしない。

職場でもよく失敗をするし、職場の人からも陰口を叩かれているのを

僕自身も知っている。

それでも僕はこの職場で働いている。

何度も辞めようと思っていたが、きっと何処の職場に行っても僕のような

ダメ人間は、また同じ事を繰り返すんだ。

それなら何処の職場でも変らない。

夢も希望も持てない僕は、毎日仕方なく生きていた。





・・・でも? そんな僕でもやっと心から安心できる場所を見つけたんだ!

例えそこが、夢の中であっても僕は構わない!

彼女と夢の中で会っている時だけが、僕の幸せな時間。

休みの日は、出来るだけ寝る時間を増やすためにひたすら布団の中に入って

目を瞑り寝る準備をするんだ。

ただやっぱり眠れないから、布団の中でゴロゴロしていると?

あっという間に、時間だけが過ぎて行く。

僕は夢の中で君に会いたいんだ。

願いを込めて目を瞑ると? 今度はやっと夢の中へ。


“僕の一番の推し!”


夢の中だけ会える君だけど、僕は君が誰よりも大好きだ!

でも? まだ夢の中では僕は君を見ているだけ。

君に話しかける勇気がなく僕は遠くから君を見ているだけで精一杯だった。

でも夢が進んで行くうちに、僕が君を見ている事がバレてしまう。

そして遂に、君が僕に話しかけようと僕の方へ近づいて来るところで、

僕は夢から覚めた!





『マジかよ! いい所だったのに、なんでこのタイミングで目が覚める訳?

今日は夢の続きが見えるのかな? 早く家に帰って夢の続きを見るぞー!』




僕の夢は凄く不思議で、“毎日前の日の夢の続きから夢を見るんだ。

ドラマがはじまると? 一話から最後まで欠かさず見れるのと一緒!

僕の夢は必ず続きがあり、僕は順番に夢を見る事が出来るんだよ!

これは? 子供の頃からずっとそうで、その事を他の人に言うと、、、?

凄く不思議がられたのを今でもよく憶えているよ。

それでも僕は一時は夢を見る事が嫌だった時があったんだ!

それは? 怖い夢を見た時も夢がずっと続いていく。

眠りたくなくてもどうしても寝てしまい、必ず夢の続きを見てしまう。

夢はいい事ばかりじゃないし、嫌な夢もいっぱいあったんだ。

それでも僕は夢を見る事が心底嫌いになる事はなかった。

それは? “やっぱり僕の見る夢はいい事の方が多かったからだと思う!”

今だって! 僕の推しと夢で会えるのだから。




・・・そして今日も、彼女に夢で会える。

それにとうとう僕は彼女に話しかけられたんだ!




『・・・あ、あなたは?』

『ぼ、僕は、“君が一番の僕の推しです!”』

『あら? 嬉しい事言ってくれるのね! 少しここで待っててくれる?』

『ううん。』





彼女は僕にそう言うと、、、?

煌びやかなステージに立ち、大勢の人の前で歌を歌い出した。

彼女の声はステージ全体に響き渡り、多くの人達を魅了する!

僕もまた彼女に見とれていた。





『先の私のステージ見てくれた?』

『勿論!』

『少し外に行って歩かない?』

『いいね、歩こう。』




僕と彼女は二人横に並び、笑い合いながら外を歩いた。

外は青空と夜空が半分ずつあって、不思議な世界に迷い込んだのだと

僕でも分かった。

夜空を見ながら彼女と歩いている時は、彼女はとても可憐なキレイなお姉さん

なのだけど、青空の下になると? 彼女はパンダのぬいぐるみになった。

まるで“狼男のような、美女からぬいぐるみのパンダに、、、。”

彼女はあっという間に、変ってしまった!

それでも僕の彼女への気持ちは変わらない。

僕はずっと君が一番の推しだから。




現実世界の僕は、冴えない男で夢の中の僕は君を誰よりも愛する男に変わる!

このままずっと夢の中に居たいな。

君をずっと推していたい!

僕の大好きな女の子に会えるには、夢の中だけしか会えないなんて寂しいけど、

それでも、“僕は夢を見る事をやめたくない!”

また君に会いたいから、、、。


最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] わぁ、ここまで夢を見ることに前向きな主人公はいないかも。 良い夢を♡
2024/01/02 21:29 退会済み
管理
[一言] 分かる分かるW 同じこと思いましたわW
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