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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
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パニック関連

人を殺すわけではない兵器だが、長期間にわたって影響をもたらし蝕んでいく

作者: よぎそーと

 地上発射型の対地ミサイル。

 それは大量に発射され、各地に降り注いだ。



 戦争開始と同時に始まった攻撃。

 これにより各地に衝撃が降り注いだ

 幸いなことに、ミサイルは核兵器ではない。

 爆弾でもなく、落下地点以外に大きな損害は無い。

 目標になった建物は大きく破壊されたが。

 落下した土地には大きな穴が空いたが。

 当初の損害はそれだけで済んだ。



 しかし、それだけで全てが終わるわけもなかった。

 本当の問題はここから始まっていく。



 着弾してからほどなくして、各地に病気が蔓延した。

 それほど大したものではない。

 せいぜい風邪程度の症状が出るだけ。

 他に特に危険な事は無い。

 だが、それがとてつもない速さで感染していく。



 ミサイル攻撃を受けた都市部は壊滅的な状態になった。

 全人口の5パーセントから10パーセントもの人間が発症した。

 風邪程度の症状だが、それだけでも脅威だ。

 症状が重ければ、まともに動けなくなるのが風邪だ。

 たとえ命の危険がなくても、そんな状態の者がまともに働けるわけもない。



 微熱程度の者ならば、罹患者は更に多くなる。

 体も頭も一応は動くが、まともに働けなくなる。

 作業効率は5パーセントから10パーセントは落ちる。

 これが一部だけではなく、主要都市の多くに及ぶのだ。

 国全体の生産性は大きく低下する。



 即座に対策がとられていく。

 原因になってる病原菌が特定されていく。

 ワクチンなどが作られていく。



 こうして、国力の幾らかが病気対策に割り振られる。

 戦争をしてる最中にだ。

 出来る事ならば、兵器の生産や兵隊の訓練に集中したいのに。

 それが出来ない状況を強いられる。



 また、ワクチンや薬が出来るまでの間、生産力の低下を強いられる。

 戦争の継続が難しくなる。

 そもそもの生産活動がままならなくなっている。



 戦争をしていても、普段の生活がなくなるわけではない。

 むしろ、人々の生活があってようやく戦争が出来る。

 物を造り、流通させて人々が普通に生きていられる。

 そういう状態があるから、兵器の生産なども出来る。

 必要な道具や物資を調達することが出来る。

 この部分が停滞・崩壊状態になれば、戦争継続が難しくなる。



 こうなった原因が、初戦のミサイルによるものだとは誰もが察していた。

 おそらくそれで、生物兵器を打ち込んできたのだろう。

 病原菌などを使っての攻撃だ。



 幸い致死性のものではなかった。

 それだけは救いかもしれない。

 しかし、それでも損害は大きい。

 国全体の経済活動が停滞したのだから。



 あるいは、それが目的だったのかもしれない。

 即死するほど危険な病原菌では無い。

 だが、相手の社会そのものを停滞させることは出来る。

 それによって有利な状況を手に入れる。

 それが狙いならば、成功したと言って良いだろう。



 ワクチンなどが効果をあらわすまで、産業は停滞した。

 それは戦線の後退にまで繋がっていく。

 補給物資がろくにまともに生産されないのだ。

 戦線を維持できるわけがない。



 数ヶ月もする頃には社会も落ち着きを取り戻したが。

 その頃には国内に敵がかなり食い込んでいた。

 押し戻すのは難しい。



 それに、病原菌が完全に撲滅されたわけでもない。

 野外に打ち込まれたミサイルは、原野に病原菌をふりまいた。

 それらは繁殖し、人里へと向かっていく。

 不定期的に襲いかかってくる病気に、何度も苦しむことになる。



 それもあって戦争は、攻め込まれた国が不利のまま進んでいった。

 劣勢を覆すことも出来ず、戦線は少しずつ後退していった。

 どうにかがんばって、戦線を硬直させるのが限界だった。



 そんな国に、対地ミサイルが再び降り注ぐ。

 新たな病原菌を振りまくために。



 そこで敵の侵攻は止まった。

 打ち込んだ病原菌に巻き込まれないようにする為だろう。

 ワクチンなどをうって病原菌への抵抗力を手に入れるためでもある。

 対策が終わるまでは動かないことだろう。

 その間は、病原菌が戦ってくれる。



 そして病原菌を打ち込まれた国は、落ちこんだ国力を更に削って対処することになる。

 放置するわけにはいかない。

 人道的な理由を抜いても、対処するしかない。

 放っておいたら、労働力が減る。

 それは不利な戦争を余計に不利にする。



 決して致死性では無い病原菌。

 症状も比較的軽いものでしかない。

 だが、もたらす損害ははかりしれない。



 例え死ぬ事はなくても、長期的な損害をもたらし続ける。

 そんな生物兵器のおそろしさを、この戦争は語っていた。

 攻め込まれた方は、その効果を嫌と言うほど味わった。

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