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10話.[倒れていました]

「行広さんこんにちはっ」

「おう」


 姉の代わりに何故か秋がやって来た。

 まあ彼女の家族と仲良くしておくのは悪くはないだろう。

 流石にまだいまの先を考えているわけじゃないけどな。


「お姉ちゃんは何故か倒れていました」

「いつも倒れてるな……」

「な・ん・て、私がからかったせいなんですけどね!」


 だろうな、それだけは容易に想像できる。

 最近は南にも照れが実装されたからまあ色々と言ったんだろう。

 姉ちゃんに意地悪しないであげてほしいと言ったら、「意地悪をしたいのは彼氏である行広さんですよね、分かりましたっ」と変な風に納得されてしまった。

 確かに照れてくれたりすると多く褒めてみたりとかもしたくなるが、……悪口を言ったりとかはしないぞとちゃんと言っておく。


「うーん、分かりました、ちょっと待っていてください」


 彼女は家の中に消える。

 が、割とすぐになんか疲れ気味の南を連れて外に出てきた。


「どうぞ」

「お、おう」


 南をしっかり支えて倒れないように対策。


「お姉ちゃんはあげます、なので今度勉強を教えてください」

「姉をあげるなよ、まあ勉強の方はいいけどさ」

「わーい! それでは姉のことよろしくお願いしますっ」


 とりあえず南を座らせて俺はその前に立つ。


「もうやだ……」

「許してやってくれ」

「これは行広くんのせいでもあるんだから……」

「悪い、でも、俺的にはメリットしかないからな」

「……からかわれること以外は私もそうだけど……」


 今度ちゃんと秋には言っておこう。

 褒めたり頭を撫でたりして疲れさせるのは俺の役目だ。

 それを奪われるようなことがあってはならない。


「行くか」

「うん……」

「元気を出してくれ」

「ふぅ、分かった」


 よし、でもそれもまた今度でいい。

 いまは約束通り、出かけることだけに集中しておけばいいのだ。

 最初こそ微妙だったものの、幸い、中盤からは楽しそうにしてくれていた。

 俺はそれが見られるだけで普通に嬉しかったのだった。

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