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なろうラジオ大賞3

宇宙船サンダーバース号が征く ~雪だるま星雲を探せ!~

掲載日:2021/12/12

「船長、到達目標を発見しました!」


 モニターを見ながらオペレーターが言う。


「うむ……座標は確かか?」

「はい。間違いないようです」


 サンダーバース号はアンドロメダ連盟が開発した宇宙探査船である。かつての地球人たちが残した遺物を回収する目的で作られた。


 その回収目標の一つが雪だるま星雲。


 地球人たちは宇宙のあちこちから氷の塊を収集し、一か所に集めた。貴重な水資源を確保するため、連盟は長年その調査に労力を費やしてきたのだ。


「船長、来ました! 防衛システムです!」

「うむ……手筈通りに」


 船長が指示を出すと、自動迎撃システムが作動。

 小型の自爆ロボットが複数放出され、敵の攻撃に備える。


 複数の人型ロボットが姿を現す。


 地球人たちは兵士の役割をロボットに押し付けた。その結果、自律兵器が宇宙に跋扈し、無秩序に殺戮を繰り返す状況に陥る。


 地球が消滅してはや1万年。

 生き残った人々は殺戮ロボットとの戦いに明け暮れていた。



 どーん! どーん!



 放出された迎撃システムが特攻を仕掛ける。

 破壊力だけを重視した球体のロボだが、人型よりもずっと役に立つ。


「どうやら敵は全滅したようです。でも……」

「このまま回収を行うのは、ちと無理そうだの」


 船長が険しい顔で言う。


 雪だるま星雲の中央には、大きな鉄の塊の惑星。

 内部では人型ロボットが大量に生産され、敵を生み出し続けている。


「あれがある限り、回収は難しいな。

 少しばかり氷を持ち帰って戦利品としよう。

 攻略は今度ゆっくりりりりりりり」

「え? 船長」

「りりりりりりり」

「あーダメだ、再起動しても無理そうだな、これ。

 気に入ってたのになぁ……」


 船員は肩をすくめる。


 彼は船長の首筋にあるボタンを押して、機能を停止させた。


「おーい、これ倉庫にしまっといて。

 代わりの船長をお願い」

「了解しました」


 オペ―レーターの爆乳ロリ美少女ロボが、船長を担いで指令室を後にする。


「はぁ……ようやく任務完了か。

 さっさと帰ろ」


 力なく艦長席に腰かける船員。

 この船に乗っている人間は彼一人。


 AIが発達した遠い未来。

 全ての労働を機械が代行するようになった。


 しかしながら、AIを放置した結果、人類は最悪の敵を生み出してしまった。

 その苦い経験から、必ず人間のオペレーターを一人搭乗させる規則を設けた。


「早く帰って、皆に会いたいなぁ」


 ぼんやりとつぶやく船員。

 彼の言葉に応えるものは、この船には一人もいない。


 返って来るのは鉄の軋む音ばかりである。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 爆乳ロリ美少女ロボに全て持ってかれた…… 拝読しました。 これぞまさしくSFって感じですね! [一言] この短さがちょうど良いんですよ!
[良い点] す、すごい……! ちょう、ちょう本格SFじゃないですか……! めっちゃ面白かったです! >爆乳ロリ美少女ロボ ここ好き……♡ ふふってなります。 しかし、ほんとにタラコさまの無尽…
[良い点] 王道SF! 最後の一行がとても詩的なのにピリッと効いていて物語を上手く締めてるなぁと思いました。 船員の彼は長い旅路をAIと会話しながら時々むなしくなって、でもまた暫くすると会話を続ける…
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