心霊スポットかくれんぼ
はじめまして。エピソードの多い人間なので、記録用にこのサイトを始めてみました。
なのでマジのやつです。
不思議な思い出がある。
子供の頃の記憶過ぎて、所々うろ覚えではっきりせず、本当の事なのか夢なのか後から作った思い込みなのか分からない。
母には信じてもらえず、きっと夢なのだと言われた。
友人には、不思議だね、とか、怖い話やめて、とか言われる。
怖い話イコール嘘の話って事だけど、やっぱり怖いから聞きたくないって事だろうか。
結局、大真面目にも関わらず相手にされない。
それは、かくれんぼをしていた時の話だ。
いつものように仲良しグループで、今日はかくれんぼをしようと言う事になり隠れ場所を探していた。
記憶では8歳になる歳の前の春、小学2年生になったばかりだ。
転校したばかりの私は友達を作りたくて、気乗りのしない遊びでもとにかく着いていく事にしていた。
本ばかり読んでいて運動が苦手だった私は、鬼ごっこやボール遊びは好きじゃ無かったけど、かくれんぼならまぁまぁ好きだった。
最後まで見つからずにいられれば、隠れ場所で持って来た本を読みながら待つと言う事も出来るからだ。
その日もそうしてなるべく長く隠れていようと思っていた所に、誰かが大声で何か言っているのが聞こえた。
皆に急いで来るよう、その声は言っていた。
やれやれ、何かあって中断か、と、内心半ば喜びながら声のする方に向かった。
転校してからすぐに声をかけてくれた、優等生の活発な女の子が狼狽して皆を集めていた。
私はまだその他の子をちゃんと覚えれていなかったが、この子の事はわりとハッキリ覚えていた。
クラスでは背も大きい方で、顔立ちに大人の風格が少しあり、親がちゃんとしているのだろう、髪型や服もキチンとしている。そして運動も勉強も人並み以上に出来、自然とクラスのリーダー的な子だ。
その周りに私を含め数人が何事かと集まった。
そこは崩れかけた土手というか、壊れかけた廃屋の外側の瓦礫の山と言うか、とにかく危険そうな場所だ。
「○○ちゃんが、落ちた」
指を指す先は、どうなっているか分からないような底なしの闇で、絶望を感じたのを覚えている。
「○○ちゃん」
名前も覚えていないが、集まった数人が皆口々にその子の名前を呼びかけた。
本気の心配が半分、半分は何か芝居がかっていた。
子供には事の深刻さなどたいして分かっていないのに、大いに深刻ぶるフリをする時がたまにあるのだ。
だけど実際に今起きている事は大変な事ではあるので、変な行動をして嫌われたく無い私も神妙にせざるを得ない。本当はさっさと帰って大人に丸投げしたいのに。
ところがここからが不思議なのだけど、皆なぜか大人に言ってはいけないと言う事で私以外の意見が一致する。私は内心とても驚いている。
今考えたらあれはイジメなのだろうか?でもその優等生も友達も、そんな悪い事をするタイプには見えない。ただ、その年頃の子特有の、悲劇を演じ悲劇を楽しむ感じは何となく分かった。
私は裏切るつもりだった、帰ったら早速大人に言おうと。そして多分言ったと思う。
両親にも、先生にもこの事を話したのだけど、なぜか相手にされなかった、と記憶している。
まず、転校したばかりで、そこがハッキリどこなのかが分からない。そして優等生以外の子の名前が分からない。もちろん誰が落ちた子なのか分からない。
そして学校に帰ってクラスで出席を取る時に、誰が休みとか、いないとか、そんな話が一切出て来ない。
それでその子が同じクラスの子では無かったのだなと思った。
そうなると自分だけが、どこの誰か分からない子が、どこか分からない所に落ちた、と言っている事になる。
案内しようにも、行き方ももう忘れてしまった。
そのまま月日が流れ、気にしながらもいつの間にか私は学年を1つ上がる。そしてなぜか1人の時、偶然その場所に行き当たる。
あの、かくれんぼの場所だ、と気がつく。あれから友達は2度とここへ来ようとはしなかった。
好奇心に襲われて、あの危なかった場所へと足が向く。私は何しにここへ来たのだろう?
○○ちゃんが落ちた、その場所を見つける。間違い無い。瓦礫の山やゴミは全くそのままだ。自分の足もうっかりしたら、そう思っていた時はっきりと、自分の足を掴む小さな子供の手が見えた。
○○ちゃんだ。まだいたんだ。ええ?あれからずっと?頭の中がパニックになる。
誰かが叫んでいると思ったら自分の声だ。
自分にこんな声が出るなんて、自分でも驚くような高い声だ。恐怖で考えが全く回らなくなっていた。
今も無事でいると言う事は、何とかしてその場から家に帰ったのだと思う。
もう少し後になってインターネットを使うようになって、ああそう言えばあれ、どこだったんだろうと、マップや写真でいろいろ調べた結果、そこが子供の霊が出る事で有名な心霊スポットになっている事が分かった。
それが以前からそうなのか、○○ちゃんがその原因なのかは今でも分からない。
子供って悪気が無いけど大事な事忘れてしまう。
そして力が無い。
そんな自分のせいで、誰かに何かあったらきっと、後々とてつもなく後悔と罪悪感と恐怖を感じてしまうと思います。
そんな怖い話を書いてみました。