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いわゆる、ロリータコンプレックスと言われる残念な病にかかってるかもしれない疑惑

ブクマ、評価、ありがとうございます。こんな感じでちまちま行きますので、よろしくおねがいします。

「まっさかなあ。うちが街降りないうちに、こんなに面白いところになってたなんて、ふつうおもわへんやろ。いや、弟子たちが意図的に隠したんやな、これ。だって、わし、これ全部ほしい。で、うちだけに売ってほしい。」


強欲の魔女らしい、実に欲望ダダ漏れの本音をぽつり、彼女が商店街の中でつぶやいたところで、普通の服を着ていたとしたら、誰も目にはとめなかっただろう。普通の服を、そう、村人Bとか、村人Cとかそういう感じのこの世界、イデアで依るところの一般的な、まあ、強いて言うなら、普通の服を着ていて、魔女服を着ていなければ。そうすれば、むしろ、ほほえましいと笑顔をよこしてきたはずである。そう、今の彼女が見た目小学生だ。そのため、本来ならばだれも彼女を強欲の魔女と思い至るはずもなく、小学生による、小学生にありがちなこれ私の物だから全部ほしい!というほほえましいわがままだと勝手に勘違いしているが故の、平和な光景になったはずであり、だれも、彼女の言葉を本気ととらえていなかったはずである。しかし、いかんせん、彼女の服装が悪すぎた。


 まあ、見た目小学生の彼女が、魔族だ、魔女だとみんな断定したはずではないだろう。その証拠に、魔族が魔族であるとばれたときに発動する魔法がまだ発動されておらず、それにまたアワリティアも気がついていなかった。しかし、断定されるのも、時間の問題か・・・に思われた。


「ほしい・・・全部ほしい、ほしいほしいほしいほしいほしい・・・・!!!!!!けど、我慢や。今ここで全部うちのものにしてしまったら、うち、弟子にばれてしまうやろ?一時の欲望は、得れるかもしれないけど、そんなんじゃ意味がないんや・・・。うちは、自由がほしいんや。だめや、そんなんだめやだめや・・・!!!!!うううう、我慢、我慢嫌いや、嫌いやけど、ほしいけど、がまんせな。」


 そんな彼女は、周囲の目線を全く気にする様子もない。さすが、成人している状態でも胸の成長が絶望的な彼女だ、空気の読めなさも絶望的になかった。そして彼女は目先の欲だけを優先する強欲の魔女ではなかった。そのおかげで商店街は守られたし、彼女が魔女という疑惑が確定に変わるのは一応、その場しのぎであったが免れたと言っても良いだろう。と言っても、状況が好転するわけでもなし、彼女の一方的な動きを押さえられただけなので、彼女が魔女と疑われてみんなから遠巻きで見られている、その事態は変わっていない。

 しかし、そんな中、彼女に近づく勇気ある者がいた。いや、勇気というかなんというか、もはやもう彼の義務的な何かっていうか、まあ一種の仕事であろうが、とりあえず、勇気のある青年が、アワリティアに近づいていった。


「お嬢さん。迷子かい?」


 彼は、つまるところ、街の祭祀、であったのである。


「へっ・・・?あの、おじさん、誰や?」


 どう見たってまだ20だろうし、それ言うならほとんどの人はアワリティアより年下という状況下なのに、アワリティアはわざわざおっちゃんというワードをチョイスした。一部の界隈の人にとっては、「関西系幼女におじさんっていわれて、金とか握らせて以下略」的な妄想を展開させるワードである。しかしそれを狙ってやったというわけじゃないから、末恐ろしい。あと自分の年齢をわきまえろ。


「うん、おじさんはそうだなあ。悪い奴らを懲らしめて、街から追い出す仕事、っていえばわかりやすいかもね。」


しかし、見た目20歳ぐらいのおじさんは、心の広い人だった。おじさんといわれても気分を害した様子もなく、幼女に語りかけている。しかも、幼女の扱いを心得ているのか、迷子だった場合に、幼女を怖がらせないように幼女の目線に合わせて話をしているのだから、相当気遣いができる人間か、ロリコンかもしれない。


「へえ!おじさん、すごい職業についてるんやなあ!!!!!すごいなあ、ヒーローって感じの職業なんやなあ!!!!」


「ヒーローって・・・ははは、お嬢さん、ありがとう。」


おじさんはちょっとほほを掻きながら言った。まあ、そりゃそうだろう。アワリティアという幼女は、胸は絶望的であるが、見た目は相当麗しいというかかわいいというか。そんな幼女にキラキラおめめで見つめられて、なおかつヒーローと言われたら、うれしいに決まっているし、照れくさいに決まっているだろう。実際は、ヒーローじゃなくて、普段は地味な仕事を淡々と行っているだけなのだから、日常と乖離した事を言われてちょっとうれしいのかもしれない。一度くらいは、誰しもヒーロー願望を抱くと言っても過言ではないし。


「ところで、お嬢さん、ちょっと手を握ってもらってもいいかい??」


犯罪である。現行現場である。いまなら現行犯逮捕できてしまう。セクハラ容疑で。おまわりさああああん!!!ここですよ!!!ここここ!!!!ここに、ロリコンのオルメタ、イエスロリータノータッチを破ろうとしている、変質者が出てますよ!!!!!


「えっ・・・?」


さしものの鈍感どじっこ幼女(1000歳)も引き気味である。そりゃそうなる。誰だってそうだ、知らない男性がいきなり、「はあはあ・・・手、手を握ってもいい・・・?」と聞いているのである。ちょっと気持ち悪い。言ったことのねつ造は認めよう、反省はしていない。


「ああ、いや、別に変なことをしようって訳じゃないけど」


いうと更に怪しくなると言う事をこの人は知らないらしい。


「えっ、まあ、減るもんでもなしええよ」


アワリティアは疑うと言うことを知らないらしい。


「・・・っ、じゃあ、遠慮なく」


なんだ。今のタメはなんだ。そして遠慮なくってなんだ。怪しい。とても怪しすぎた。そして、二人は手を握った。


「・・・うん、やっぱ違う、か」


おそらく、おじさんは、祭祀として彼女が魔族が、魔女かどうかというのを試そうとしたらしい。手には術が刻まれてあった。実に勇気ある行動である。おそらく、術式構造によると、魔族にだけ反応する転移魔法であろう。しかし、それを(他の七つの大罪の魔女が)想定していないはずがない。防御壁によって阻まれ、転移が失敗したようだ。まあ、この祭祀はきっと格下だから、それに気がついた様子はなかった。


「ん?おじさん、どうかしたんか?」

「・・・ああ、いや、お嬢さんは気にしなくて良いことだよ。」

「ふうん・・・」

「ところでお嬢さん」


おじさんはアワリティアの全身をじろじろと見ている。

やっぱり、ロリコン疑惑は持っていておいた方が良さそうだ・・・と言っても、われわれが、彼ら彼女らに介入できるわけではないのだが。だが。



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