第一部
俺が目覚めるとドンドンドンと激しく玄関を叩く音がした。
ドアを叩く方向から、男数人の野太い声が聞こえた。
「新田渡さーん、取り壊しの件でやってまいりました」
その声で俺の脳がフル回転しどういう状況か理解しようとした。俺の脳が導き出した答えは昨日ヨルの言っていた『取り壊し』ということであった。
俺がどうしようかと悩んでいるその時、いつ起きたのかヨルが玄関に向かって「はいはい〜」と出ていくのが目に入る。
「ちょっ、まっ!」
俺の静止虚しくヨルが扉を開けた。
扉の先にいたのは、いかにもヤンキーと言ったほうが近いようないかつい顔立ちをした人たちがいた。
「どうも~、おや?これはこれは、この間ご依頼いただいた桜井夜さんじゃありませんか。今日はこの家を取り壊せばいいんですね?」
そう言いながら、家に上がってきた。
って言うか桜井夜って誰だよ。
取り壊し屋が許可なく入ってきたというのに腹が立ったが、何か言ったところで聞いてくれそうにないのでとりあえず荷物を持って出ようとする、がヤンキー面のやつらに静止された。
「何をしておられるんです?契約上ここにあるものはすべて私の会社のものになるようになっているはずですが?」
――どういうことだい?君は売るって言ったじゃないか?僕は何も持っていけないのかな?
俺がヨルをジト目で見ると吹けもしない口笛を吹く真似をしていた。
Oh!まい☆GOD!!なにしてくれてんだ!
数分後
俺とヨルは俺の、いや元俺の家の前に立っていた。
「どうしよう・・・・・・」
ヨルは嬉しそうに「異世界に行きましょう!」といった。
いや何これ?何かもう用意とかいう問題じゃなくて、あの人たち服しか着させてくれなかったよ?財布もあの中だし本当にどうしよう。
今の新田の服装はジーパンと無地のTシャツとスニーカーそしてスマホである。ソレに比べヨルは昨日俺の前に現れた時にき着ていた、赤いローブに身を包んでいた。
「はぁ、どうしたもんかねぇ」
手元にあるスマホの時刻を見てみると九時を過ぎた頃だった。
今頃、俺が学校辞めたの知らされたかなぁ?
―――っていうか、本当の予定だと準備をするはずだったのだけどなぁ。いま手元に有る金はスマホの中に入っている電子マネーだけなんだよなぁ。
ちなみに四千十五円だけである。
「それじゃ、向こうで使う道具だけ買わせてくれ」
「いいですよ~、その代わり私にも何か買ってくださいね」
「分かったよ」
ヨルからの了承もえたことだしとりあえず、ホームセンターに向かうことにしよう。
「ところで新田さん」
「何?」
「私思ったんですけど新田さんって怒ると怖いのですね」
ヨルはしみじみといったふうにそう言った。
うるせぇ。
「じゃあそれついでにひとついいか?」
「なんです?」
俺はひとつ気になっていたことをヨルに聞いた。
「向こうの世界って、地球より機械とか科学って進んでるのか?」
「いえ、地球よりは進んでいないですね。というより魔法で何でもできるので機械などほとんど必要ないですね」
そうか、機械ってほとんどないのか。
「オーケー、ありがとう」
それから少しヨルと話しているとホームセンター「サイガ」についた。
「ちょっと暑いですねぇ」
ヨルがそうつぶやいた。
「まぁそうだろうな、もう十一月だし」
「ところで新田さん。なんだか私変な目で見られているような気がするのですが、これは気のせいでしょうか?」
ヨルが俺にそう聞いてきた。
「いや、全く気のせいじゃないだろ。何故なら!お前のその格好はこの世界ではコスプレとしか思われないぞ」
そう、先程も言ったと思うがヨルは昨日着ていた魔法少女といった格好に厨二っぽい紅いローブを身にまとっているのだ。
「ハッ!そ、そんな私のオシャレがコスプレ、だと!?」
何故かショックを受けているヨルを見て俺はこう思った。
―――ま、俺も最初見たときは変な奴かと思ったし。
「わ、私どこかに隠れてきますね!」
「ん、そうかじゃあ、この寒い中その薄着で頑張ってな」
「ハッ!確かにこの店の中は暖かい!しかし、う~ん」
ヨルは散々悩んだ結果、店の中に入ってきた。
どうやらヨルは、寒さに負けたようです。
ども!今回初めてあとがきを書かせていただきますエディタです!
まぁ、といっても言うことはないので、ひとつだけ言わせていただきますと、この度はこの小説を読んでくださりありがとうございます!初めて書いた小説なので、おかしなこともあります!(確定)ですので、評価、レビューをしていただけるとありがたいです!週一という間が長いですが、これからも頑張りますので、応援お願いいたします!