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はじめまして!榊空といいます。下の名前は一応「くう」と呼ぶつもりです。至らぬ点が沢山あると思いますが最後まで読んでくださると嬉しいです。今はとにかく色々な種類の本を書こうと考えています。他のも見てくださると嬉しいです(笑)。よろしくお願いいたします。

 広く障害物がない野原で三人の男が集まっている。体つきから鍛えているのが分かる大人の男と、その男と比べると幼い雰囲気が漂う二人の少年が向かい合っている。その中の弓と剣を携帯している少年とロングソードを両手で持つ大人の男だけが残り、もう一人の少年は少し離れたところでその二人を見ている。


「よし、いつでもいいよ」

「今日こそは一撃当てる!」


 大人の男と少年から青年に近づいてき始めた年の男が向かい合い剣と弓を構えて立つ。大人の男がいつもしているように立つと普段と変わらぬ口調で始まりの合図を出す。その合図と同時に少年が弓を構えて放つ。


「海、僕以外にこの方法で練習試合しないようにね? 怪我人が出ちゃうから」

「大丈夫! ダイチ兄ちゃんにしかここまでの攻撃はしないから!」

「ならいいのかな?」


 ウミが一矢放つ度にダイチが矢を剣で払いいなす。素早く連射される矢をそこまで脅威に思っていないのか表情は穏やかなままだ。


「というか、なんで兄ちゃん矢を避けれるんだよ!」

「放った矢が見えるからかな。フェイントとか入れた方がいいよ? 矢を放つときの体勢である程度どこに飛ぶのか分かるから。相手を騙せるようにならないと。放つと見せかけて防御するように誘導して魔法を使って自分を強化したりとか、相手の行動を読むようにした方がいいかも」

「なるほど! じゃあこんな感じかな!」


 ダイチの言葉を聞いて思い付いたのか、矢を構えて一回射った後に二射目を構えながら魔術を使う。速度を上げる魔術を口にするのを見たダイチは少し考える素振りを見せる。


「《スピードアップ》」

「速度をあげる?」


 矢の速度をあげて二射目の矢のスピードをあげる。同じように魔術を使い三射目を構えすぐに放った後近接攻撃に切り替える。速度を上げるのを矢ではなく剣を振る自分の手にかけて素早くダイチに斬りはらう。


「なるほど、そういうことか」

「え、ちょっ! そんな普通に受け止めないでくれよ!」

「いや、だって動きが遅いから。考えるのに頭使って動きが鈍くなったら意味がないかな?」

「あ、ちょ!」

「ほい、一本」


 ウミが三射目を放ったあと弓を捨てて腰の剣を横薙ぎに抜く。だが、そんな攻撃もダイチからすると遅すぎるみたいだ。ウミの拙いフェイントを見てから余裕で受け止め、手に持っていた木刀でポカリと頭を叩く。


「なんで、こっちは普通の弓矢と鉄の剣なのに、木刀に勝てないんだ……?」

「動きを早く、そして、思考をもっと早くすれば当てられるかもね? 木刀は魔力で覆ってるから壊れないだけだけど」

「ちくしょう……、次は当てるからな!」

「楽しみにしとく」


 ウミとダイチの勝負が終わったのを見てその場にいたもう一人の少年が歩き出す。


「それじゃあ、次は僕の番ですね」

「よろしく、空。攻撃魔法は無しね?」

「分かりました。強化はいいんですよね?」

「強化は使ってもいいよ。弓も大丈夫」

「それじゃあ、よろしくお願いします」


 いつものことなのか簡単にルールを決めるとソラと呼ばれた少年が剣を構えダイチの準備が整うのを待つ。


「よろしくお願いします。ダイチさん」

「よろしく、空」


 まるで世間話をこれからするような自然な雰囲気で挨拶したあとに合図はなく二人の剣がぶつかり合う。


「やっぱり、空は年のことを考えると強いね」

「それでもダイチさんには、一回も勝てたことないんですけどね」

「まぁ、その年で考えるとだから……ね!」


 言葉尻に合わせて弾き飛ばされたソラは一旦距離を取り体勢を整える。その体勢を整える隙をついてダイチが攻撃を仕掛けるが間一髪のところで躱した。


「動きの無駄が少しずつ無くなってるね。この前は距離をとったあとに攻撃したら当たってたのに」

「負けたあとに反省会をウミといつもしてますからね」

「あはは、反省するのはいいことだね。それをしっかり活かさないと意味がないけどね」


 そう言いながらダイチがウミの方を見る。ウミはそんなダイチの視線から目をそらした後助けを求める目でソラに目を向ける。


「う、ソ、ソラ……。また、反省会に付き合ってくれ」

「あはは、べつにいいよ」

「さてと、もうそろそろ続きをはじめよっか」

「そうですね」


 ちょうどよく会話が終わったところを見計らい、最初と同じように、お互いに少し離れてからどちらからともなくしかける。


「やっぱりダイチさんはスゴいですね。色々と頭のなかで考えてたことがすべてかわされる」

「一応は二人の師匠だからね。もう少しの間ぐらいは師匠としていたいのさ」

「僕がダイチさんに一撃当てれたとしても、師匠であることに変わりはないんですけどね」

「はは、嬉しいことをいってくれるね。でも、これに関してはただの僕のわがままだからね。もうしばらくは当てられたくないのさ。せめて、来年まではね」


 来年、それはソラ達の年齢が十五歳になるまでということを指す。この国では十五歳になると大人として扱われるからだ。


「成人するまでに一撃は当てれるように頑張ります」

「僕は当てさせないように頑張ろうかな。とはいえ二人とも学園に入学出来るぐらいにはなってるから大丈夫」

「え!? 本当に!?」

「本当に。とはいっても、及第点ってだけだからあと少し鍛えてみようか」

「まぁ、強くなれるならいいけど」

「あと少しってこの前も聞いた気がするんですけど」

「あはは、気にしない気にしない。まぁ、頑張ろう。ほら、続き続き」


 ダイチの言葉にウミは諦めきった声を出し、ソラも同じように諦めたような声を出しながらため息をつく。そんな二人を見てダイチは笑いながら試合の続きを始める。


「それじゃあ、今度はこっちからいくね」

「え、ちょっ!」


 ダイチはソラが剣を構えたのを確認してからソラの目の前に走り寄り剣を横に振る。ソラはいきなり目の前に出てきたダイチに焦った声を出しつつも、構えていたのが幸いしたのかダイチの剣を受け止めることが出来た。


「見えなかった……」

「どんどんいくからね」

「なんか、さっきより早くなって……ませんか!?」

「気のせい気のせい」


 ソラは横から来る剣を受け止め縦に振られる剣を避けつつ隙を今か今かと待つ。少しずつ早くなっていく剣をしばらく避けつつ待っていると、ダイチが剣を横に振る体勢に入ったのが見えた。


「(ここで弾ければ……!)」


 何回も剣を振っているのを目の前で見たからか、それとも別の要因か。最初よりも見やすくなった剣を受け止めるのではなく、弾き返そうと手に力を入れてタイミングを合わせて横に振る。


「ソラ、もうちょっとひねくれた剣にしないと、視線とか重心の動きで何をしたいのかばれちゃうよ?」


 そう言うダイチはソラの剣の間合いの少し手前で剣を振る動作を止める。急に止められた剣の前でカウンターを狙っていたソラの剣は空振りに終わり、大きな隙を作った所でダイチに軽く一撃をいれられる。


「良いところまでいったと思ったんですけどね」

「うん、そうだね。あとは相手に悟られないようにすれば当てれたかな。さっきのは弾くよりは攻撃をいなして次の一撃に繋げた方が良かったと思う。体に力を入れるのは見てれば分かるから。体に力を入れないで弾けるなら狙ってもいいと思うよ」

「なるほど。その選択肢も候補に加えときます。魔術で強化すればいけるかな……」

「さてと、もうそろそろお昼だし一旦帰ろうか?」

「そうだな。ミキのやつが待ちくたびれてここに来る前に帰ろうぜ」

「そうだね」

「怒ると長いからね……。怒らせないようにしなくちゃ」


 三人は笑いあいながら使っていた剣をしまうと急いで家に帰るのだった。



「三人とも遅い!」

「「「ごめんなさい」」」


 急いで家に帰ったソラ達だったが、玄関の扉を開くとそこに見えるのは仁王立ちして待ってるミキの姿だった。三人の姿を見てそうそうに大声をあげるミキに謝ると、ミキは呆れた顔で三人を見る。


「まったくもう、ご飯は温かいうちに食べるのが一番美味しいんだから。早く帰ってきてよね」

「ごめんごめん、これでも急いで帰ってきたんだけどね」


 そう言いながら三人で笑う。そんな三人の様子を見てため息をつきながらも笑みを浮かべたミキはもう一度三人の服を見て口を開く。


「あ、お風呂は沸かしといたから先に入ってから来てね。いつも、汚れて帰ってくるんだから」

「おー、ありがとう」

「最初に兄ちゃんからでいいよ。俺らはちょっと反省会をしてくる」

「そうですね。反省会をしてきます。あ、もちろん外で」


 反省会をするといった時にミキの眉間にシワがよったのが見えたソラは慌てて外ですることを告げる。


「そのためにわざわざ、外に椅子とテーブルを作ったんだから、ちゃんと活用してよね」

「(まぁ、作ったのは俺らだけどな)」

「(作ったのは僕たちなんだけど……)」

「(作ったのは空と海じゃなかったか?)」


 三人の心が一致した瞬間だった。とはいえわざわざ言うことでもないと思ったのかダイチはそれ以上何も言わずソラがテーブルを指さして口を開く。


「じゃ、じゃあ、俺達は反省会をしてくるから」

「ダイチさんお風呂からあがったら教えて下さい。次僕が入ります」

「分かった。あんまり遅くならないようにするね」

「三人とも早く入ってきてね。ご飯が完全に冷えたら、どうすることもできないんだから。もう一度温めなおしたりとかできないのかな……」

「あー、レンジ作ればいけるかも」

「レンジ? なにそれ?」

「あー、まぁ、料理を温め直す道具かな……」

「そんなのあるの!? 欲しい! ダイチお兄ちゃん買って!」

「あー、うん。あればね?」


 ダイチはミキの目から顔をそらしつつ返事をする。


「でも、そんなの聞いたことないですよ?」

「まぁ、兄ちゃんがあるって言ってるんだしあるのかもしれないけど。確かに聞いたこともないのはおかしくないか?」

「あはは、まぁ、その話は置いといて、僕はお風呂に入ってくるね?」


 逃げるようにダイチはその場から立ち去りお風呂場に向かった。残された三人はそんなダイチの姿を見て首を傾げるが何も言わずに見送った。


「あー、じゃあ俺らも反省会をするから。あっちいくぞ」

「そうだね、あ、今日のご飯はなに?」

「お腹すかせてると思ったからお肉を中心に作ってみたよ? この前ダイチお兄ちゃんが狩ってきたホーンラビットのお肉を煮込んで柔らかくしたのも用意したよ」

「あー、これ以上聞くと腹が減る一方で反省会に集中できなくなるから。ほら、いくぞ!」

「あはは、それじゃあ反省会始めようか」


 そう言いながらももうすでにお腹が空いているのかお腹をさすりながら、ウミとソラは外のベンチで話し始める。


読んでくださりありがとうございました。

まだ、つづける予定ですのでよろしくお願いいたします。

こうしたらいいかもというのがあったら言ってください。

少しずつ学んでいけたらと思っていますのでよろしくお願いいたします。それでは、次のもよろしくお願いいたします。

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