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19×4年、12月。
××道××市の郊外。医院を経営するシキ秀青(三十六)がその妻と娘と他一名を殺害した後、自宅でもあった医院に放火し自殺を図る事件が起きた。
シキ秀青は当日、いつも通りの勤務を終え、看護師を帰宅させた後、妻と娘および偶然遊びに来ていた娘の友人の少女を、用意していた鈍器で撲殺した。それからしばらく後、本来は当日夜に帰郷するはずだった息子からその日は帰らない旨の電話を受けた後、同医院に火を放った。医院はほぼ全焼したが、シキ秀青は軽傷で消防員に連れ出された。
シキ秀青はそのまま妻と娘と他一名の殺害と自宅への放火を自供し、逮捕された。裁判で無期懲役の判決を受け、その後、刑務所内で病死した。
それで、その事件は終わった。
ただ一人。
事件の場に居合わせることなく、事件後も父親から全ての面会を拒絶され、視線を一度すら合わされることなく取り残された息子だけを残して。




