橋
ここはどこ?
と!問われれば橋である。
行く先も見えねば、帰る先も見えない。
子供から年寄り、幅広い年齢層の者達がここでたむろしている。
生はここが気に入っているが気にくわないとも思っている。ここはそういう所である!!
「じっさま、まだここにいるのか?」
「生か?」
生がじっさまと呼んだのはここの橋の長老その人である。
腰が曲がり杖をつき、顔はシワだらけ、顎ひげがワンサカ生えている。
「じっさま、もっと先にいったものかと思ってたよ。」
「生やそう簡単に先には進めん。過ぎたと思った所をまだまだ歩いとるもんじゃよ。」
そういって長老は笑った。
「そういうもんかい?」
生はまだわからない顔をしていた。
そんなお話し。