【漫才】冬季オリンピック
二人「はい、どうも~」
ボケ「オリンピックが始まりましたね~、君見てる? オリンピック」
ツッコミ「見てるよ。また日本人選手がメダル取ってさ~、誇らしいよ俺は」
ボケ「あっ、そう? や~、なんか嬉しいね、そうやって喜んでもらえるなんて」
ツッコミ「なんでお前が嬉しがってんだよ。お前関係ねぇだろ」
ボケ「僕もオリンピック出たことある身としては嬉しいよ」
ツッコミ「嘘つけ! なに盛大に嘘ついてんの。お前がオリンピック選手なわけねぇだろ。わかった、じゃあ何の競技だよ言ってみろ」
ボケ「失礼だね、君は。君さ、室伏選手に向かって何の競技してたんですかって聞く? イチローに向かって何のスポーツしてたんですかって聞く? 聞かないでしょ。それくらい失礼なんだよ! 君のしてることは!」
ツッコミ「……そんな国民的スターと肩並べると思ってんの? お前。わかったよ、俺が無知なせいで悪いけど、じゃあいつオリンピック出てたんだよ」
ボケ「あれは、ハンマー投げと槍投げの間ですね」
ツッコミ「あいだ? 間ってなんだよ、いつのまにそんな新競技できたんだよ。俺知らねぇぞ」
ボケ「いや、その間の中継画面に一瞬出ました」
ツッコミ「……それ観客じゃねぇか! 選手じゃねぇのかよ!」
ボケ「君が勝手に勘違いしたんでしょ!」
ツッコミ「オリンピック出たとか言うから選手だと思うだろ普通! なに室伏とかイチローとか、全然関係ねぇじゃねぇかお前。ただのモブじゃねぇか」
ボケ「冬季オリンピック見てて思ったんだけど、やっぱりもっとわかりやすい花形競技が必要だと思ったわけ」
ツッコミ「花形競技?」
ボケ「陸上でいう100メートル走みたいな」
ツッコミ「あ~、なるほどね。あれは? スピードスケートとかいいじゃん」
ボケ「ん~、みんな全身タイツみたいなの着て顔も隠れてて誰が誰かわかんないじゃん」
ツッコミ「全身タイツとかいうな、怒られるぞ」
ボケ「だからいっそのこと陸上の冬バージョンを作ればいいんだよ」
ツッコミ「またわけわかんねぇこと言いだしたな。なんだよそれ、たとえばどんな競技があるんだよ」
ボケ「たとえば、砲丸投げは雪投げになりますよ」
ツッコミ「雪投げ!? ただの遊びじゃねえか!」
ボケ「雪玉を遠くまで飛ばした人が金メダル」
ツッコミ「なにが面白いんだよそれ。誰でもできるじゃねぇか」
ボケ「そんなことない。うおりゃああああああああああ! って」
ツッコミ「そんな掛け声いる? 雪玉投げるのに」
ボケ「ドスンッ」
ツッコミ「いや、ドスンッてなんだよ。雪玉だろ? 投げたの」
ボケ「槍投げも円盤もハンマーも全部雪投げ」
ツッコミ「だから、なにが面白いんだよそれ! ただのほのぼのした日常風景だろ」
ボケ「棒高跳びの棒は氷で出来た棒を使おう」
ツッコミ「飛べねぇだろそれ。氷じゃしならねぇから飛べねぇだろ、どうすんだよそんなんで」
ボケ「だから、棒持ってそのまま高跳びすることになるね」
ツッコミ「ただの走り高跳びじゃねぇか! 棒高跳びだっつってんの!」
ボケ「走り高跳びより世界記録が低いらしいね」
ツッコミ「そりゃそうなるだろ。なに無駄に棒持って走り高跳びする競技って、存在意義ねぇよ」
ボケ「走り幅跳びは砂じゃなくって、雪が積もってるところに跳ぼう」
ツッコミ「……それはちょっと楽しそうだけど」
ボケ「でしょ? もう全身ズボッと埋まりますから。体見えないくらいに」
ツッコミ「距離もわかりやすそうじゃん」
ボケ「そう。でも選手はつらいよ? なにせシャツ1枚と短パンですから」
ツッコミ「えっ!? シャツと短パンでやってんの!? なんでそんな軽装なんだよ! 全身タイツ着ろよ!」
ボケ「もちろん屋外で雪もめっちゃ降ってるし」
ツッコミ「そんなとこで陸上させんな! 選手殺す気か」
ボケ「テレビ中継の画面も真っ白でなにやってるかわかんないからね」
ツッコミ「だからそんなとこで陸上させんなっつの」
ボケ「そしてみなさんお待ちかねの、花形競技ですよ」
ツッコミ「おっ、きたねぇ。それよ。もう世界中が注目するやつね」
ボケ「雪だるま作り」
ツッコミ「なんでだよ! ただの遊びじゃねぇか! 陸上しろ!」
ボケ「遊びなわけないでしょ! 雪だるま舐めてんの? 真剣なんだよこっちは! 命かけてんの! ガチで雪だるま作ったこともないような人にね、遊びだなんて言われたくないんですよ!」
ツッコミ「……めっちゃ切れるじゃん。真剣なのはわかったけど、オリンピック競技にはならないんじゃないか? さすがに。どうやって勝ち負け付けるんだよ」
ボケ「勝ち負けとか別にいいじゃん」
ツッコミ「いいわけねぇだろ! 何しにきてんだよオリンピック」
ボケ「みんなが1等賞なんだよ。そんな勝ち負けとか言わないでよ、こっちは楽しく遊んでるんだから」
ツッコミ「遊びじゃねぇかやっぱり! どこが花形競技なんだよそれの」
ボケ「花形競技はほかにもありますから」
ツッコミ「あぁ、そうなの? それよ。そっちが本当の花形競技でしょ。世界中が熱狂するやつ」
ボケ「雪合戦」
ツッコミ「遊びじゃねぇか! 競技しろっつってんの!」
ボケ「遊びなわけないでしょ! ガチでやってんのこっちは! 君、雪合戦舐めてるでしょ。ガチでやったら競技にまで昇華するんだよガチの雪合戦は! ガチでやったこともないくせに遊びとか言われたくないんですよ、ガチで!」
ツッコミ「ガチガチうるせぇな! 競技になるかもしんないけど、わかりにくくない? 100メートル走とかと違って。雪玉が当たった当たらないの判定とかどうすんの?」
ボケ「そこは自己申告でいいじゃん」
ツッコミ「いいわけねぇだろ。みんな当たってないって言うに決まってんじゃん」
ボケ「いいじゃんそういう細かいことはさぁ。なにさっきからこっちが楽しく遊んでるのに野暮なことばっかり言って」
ツッコミ「遊びじゃねぇかやっぱり! お前が花形競技とか言いだしたんだろ。白黒つけろってちゃんと」
ボケ「ああ、そう! じゃあいいよ! 100メートル走でもなんでも走ればいいじゃん!」
ツッコミ「逆切れすんな!」
ボケ「氷の上を走ったらいいじゃん! 普通の靴で!」
ツッコミ「なにが面白いんだそれ!」
ボケ「つるつる滑って全員で転べばいいじゃん!」
ツッコミ「だからそんなんで世界中は熱狂しねぇっつの!」
ボケ「画面真っ白でなにも見えませんけどね」
ツッコミ「せめて見える日にやって。いいかげんにしろ」
二人「どうも、ありがとうございました~」




