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退屈の殺し方  作者: 夜凪
第一章 来訪
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対立

扉の向こうは精密機器が置いてある部屋だった。


「ここからがめんどくさいんだよなー」


ノクサはそう言いながら、ため息混じりに肩をすくめた。


連は一歩遅れて中に入る。

白を基調とした室内は、研究室のような雰囲気で、壁際には見慣れない装置がずらりと並んでいた。


「……何、ここ」


「検査室だよ」


ノクサは軽い調子で言いながら、金属探知ゲートのようなものを通りぬける。


「検査室、って……」


「入国審査みたいなもんだよ」


「通れなかったら?」


「まあ、なんとかするよ。」


笑ってはいるが、目は笑っていない。

冗談なのか本気なのか、判断がつかない。


「さ、早く通りなよ。」


「通っただけじゃなんにもなんないよ。」


「その言い方、信用できないんだけど」


「えー、私はわりと親切な人だよ?」


そう言いながら、ノクサは連に手招きした。


「ほら、早く。」


連がゲートを通るとビー、という音と共に、赤いランプがついた。


「すごいね。ほぼ全部に引っかかってる。」


「それ絶対大丈夫じゃないよね?」


「少しくらいは私を信用してくれたっていいじゃないか。」


「信用できる行動をしてくれ。」


「じゃあ行こうか。」


「ランプ赤く光ってるけどいいのか?」


「ダメじゃないかな、常識的に考えて。」


まるでなんでもないようなことのようにノクサは話していた。


「じゃあ……。」


「私だよ?大丈夫に決まってるじゃないか。」


「さ、こんなつまらないとこはさっさと出よう。」


ノクサが部屋のドアを開けながら言う。


「本当に大丈夫なんだよな……」


しばらく進んだところで連とノクサは、職員に止められていた。


「止まってください。」


「嫌だね。」


「地球人を入れるのは規則違反です。」


「それで?」


「地球に帰してきてください。」


「やだよ、せっかく連れてきたんだし。」


「そうですか。」


職員は、杖のようなものを取り出しながら言った。


「強制退場してもらいます。」


「ブレスレット付けといて。」


「え……?」


「無理やり押し通る。」


「それ以上私の暇つぶしを邪魔しないでくれない?」


「ヴェールシアに行くおつもりでしょう?」


「まあそうだね。」


「なおさら通すわけには行きません。」


「しつこいなぁ、殺すよ?」


ノクサの初めての脅迫だった。

その一言を放ったとき空気が重くなった。


「あなたと本気でやり合ったら私に勝ち目はないでしょう。」


「そうだろうね。」


「時間を稼がせてもらいます。」


「仕方ないさ、こうなるだろうなとは思ってた。」


「連れ込んだ建前は聞くかい?」


「ヴェールシアに行くと答えた時点で無駄でしょう。」


「それもそうか。」


ノクサは楽しそうに笑った。


「じゃあ、通らせてもらうよ。」

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