表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
退屈の殺し方  作者: 夜凪
第一章 来訪
4/20

決断

部屋は静かだった。


窓の外から朝日が差し込んでいた。


どこか、落ち着かなかった。


連は玄関のほうを見た。


あの後確認したが鍵は、確かに掛かっていた。


自分で閉めた記憶もある。

ノクサが出ていくとき、何かをした様子もなかった。


「……」


胸の奥がざわつく。


ノクサは、鍵を気にしていなかった。


彼女は入ろうと思えばいつでも入れるのだった。


連は視線を落とし、ブレスレットを見る。


白と黒が交互に連なった、簡素なもの。

それなのに、不思議と美しかった。


「……お守り、か」


握りしめると、じゃらと石と石が擦りあったような音をたてた。


ノクサは「一撃を入れる」と言っていた。

具体的に何をするのか、連には分からなかった。想像もつかなかった。


目を閉じるとノクサの声が蘇った。


「賢い選択を期待しているよ」


その言葉は、期待しているようで、同時に逃げ道を塞いでいたように感じた。


「異世界、か」


現実味のない言葉だった。

ノクサがいなければ、異世界にあるなんてことを考えることもなかっただろう。


ノクサという存在は、疑いようのない現実だった。


ドアの向こうに現れ、部屋の中にも現れた。


今も、どこかで「暇を潰している」のだろう。


選択は、もうこれ以上は先延ばしにはできない。


どちらを選んでも、もう二度と日常には戻れない気もしていた。

それに連が断ればノクサは「一撃を入れる」といっていた。


時計の針は、少しずつ確かに進んでいた。





夜九時。

静かな空間にチャイムが響いた。


「やあ」


やはりそこには彼女がいた。


「今日は自分で入れてくれるかい?」


「無理やり入るのも楽じゃないんだ。」


連は無言で鍵を開けた。


「鍵の音が、やけに大きく感じた。」


ノクサは心底楽しそう笑っていた。


「それは同意と取っていいのかい?」


「……ああ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ