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退屈の殺し方  作者: 夜凪
第一章 来訪
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目的

テスト期間?抵抗してやる。

「『言語』……?」


ユーノと連は困惑していた。


「彼も十書だよ。」


ナラティアが言う。


「こう見えても、彼は凄いよ。」


「何が凄いんだよ?」


「言語共通化だよ。」


「ゲートを通れば、その世界の言語は理解できるし、読めるようになる。」


「お前がやってるのか?」


「契約したからな。」


「後の力は護衛の契約でナラティアに移してるがな。」


「護衛?」

連が聞くとリンガリアが頷いた。


「今のおれは、魔力の多い人と変わらないからな。」


「そんなことはどうでもいい。」


「お前ら、聖女の遺物がなくなったせいで均衡が崩れちまったじゃねえか。」

リンガリアが顔をしかめながら言った。


「リンガリア、いきなり言われても分からないよ。」

ナラティアがリンガリアを制した。


「それもそうだな。」


「アリア、アナーシャを寝かせておいてくれ。」


「分かりました。」


アリアと呼ばれた少女はアナーシャを抱え出ていった。


「私が説明しよう。」

ナラティアは語り始めた。


「昔、この世界にはいくつもの大陸が存在していた。」


「だが、その距離はあまりにも遠く、人々は他の大陸の存在すら知らなかった。」


「やがて魔力を応用し発展した一国が、ゲートを生み出した。」


「ゲートにより遠方への移動は容易になった。」


「だが、実験を重ねるうちに彼らは気づいた。」


「それが、別の大陸へと繋がっていたことに。」


連が息を呑む。


「場所が違えば、環境も文明も違う。」


「そして――中には侵略を試みる者も現れた。」


「それを抑止するために必要だったのが、象徴だった。」


「世界には共通の認識があった。」


「圧倒的な力をもつ『理』。」


「戦力を過度に分散させてしまうと、『理』の干渉に耐えきれない。」


「そのとき現れたのが『聖女』だ。」


「彼女は、一つの『理』を打ち倒した。」


「その影響で、他の『理』は表立って活動しなくなった。」


「そんな聖女が残した遺物は案の定強力だった。」


「その遺物のおかげでこの国は、攻められることもなく均衡を保つことができた。」


「まあ君たちがぶっ壊したんだけど……。」


「抑止力がなくなった今外から人が来るのも時間の問題だよね。」


「おれがノクサを失望させたから……」

連が項垂れた。


「この国には十書が三人いるからすぐ攻められることはないよ。」


「そのうち二人は戦えないわけだけど……」


「ノクサは知ってたんじゃない?」


ユーノが顔を上げる。


「他の大陸があるってこと。」


「抑止力がなくなれば外から人が来るから、嫌でも交流しなきゃでしょ?」


「ギャング共とあいつは組んでたんだよな?」

リンガリアは顔を上げていった。


「そうだったはずだよ。」

ナラティアが頷いた。


「なら他の大陸のやつと交易したかったんじゃねぇか?」


「ギャングはそうだとしてノクサの方はどうなんだよ?」


「あっちの方にある禁書に彼女が好みそうなものがいくつかあったはずだけど……」

ナラティアが本棚を指さした。


「何があるんだ?」


「これは異大陸航行記録。」


「今はない禁忌の魔法や技術、とんでもない人物が書いてある。」


「魔法とかはともかく人は大丈夫じゃないか?」


「少なくともこの中の一人は800年くらい前に封印されたかな」


「そんなにやばいのか?」


「その気になれば国一つくらいは滅ぼせると思うよ。」


「彼女は神の祝福を受けていたからね。」

ナラティアが説明した。


「封印されたとき、彼女はまだ少女だった。」


「力の本質を理解していなかった。」


「だから――国一つで済んだ。」


「どんな能力なの?」


「津波を引き起こしたそうだ。」

ナラティアが本の表紙を撫でながら言った。


「津波を……」

ユーノは言葉を失った。


「もし後10年生きていたらとんでもないことになっただろうね。」


「そんなのが居たのか……」


「残念だけど封印されただけで生きてるよ。」


「復活したら面倒だね。」

ため息を付きながらナラティアが言った。


「さっさとノクサを止めてくれないと困るんだよ。」


「アナーシャが動けない今、言いたくないけどユーノと二人だと流石に厳しい。」


「それもそうか……」


少し考え、ナラティアが顔を上げた。


「アリアを連れていけばいいんじゃないかい?」


「アリア?」


「アリアってさっきの女の子だよね?」

ユーノが心配そうに聞いた。


「大丈夫だよ、彼女は魔法の天才だからね。」

自信満々にナラティアが言い切った。


「呼びましたか?」


アリアが戻ってきていた。


「彼らについて行って欲しい。」


「場所はどこですか?」


「行ってくれるのかい?」


「先生の頼みですから。」

表情を変えずに言った。


「ありがとう。」


「これを受け取ってくれ。」

ナラティアが地図と機械をを渡した。


「地図と簡易ゲートだ。」


「ありがとうございます。」


「準備をしてくるので少々お待ち下さい。」

アリアが部屋を出ていった。


「大切な教え子なんだ、よろしく頼むよ。」


「分かった。」

連は頷いた。


「アリアは仕事が早いからもう戻ってくるだろう。」


言い終わると同時にアリアは戻ってきた、


「それでは行きましょうか。」


「気をつけろよ。」


「いってらっしゃい。」


「いってきます。」

リンガリアとナラティアに別れを告げてゲートをくぐった。


「君たちも気をつけるんだよ。」

ナラティアの言葉に背を押され連とユーノも扉をくぐった。

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