表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
退屈の殺し方  作者: 夜凪
第一章 来訪
19/21

破壊

ノクサが瓦礫の上に立っていた。


足元には騎士が転がっていた。


アナーシャが低く言う。


「遺物が、応答している。」


ノクサは剣を手にしていた。


その立ち姿は以前から持っていたかのようだった。


「目的達成、と」

ノクサの足元には砕けた指輪と杖が落ちていた。


「剣はどうやって壊そうかな……」

ノクサの呟きは風に隠れた。


剣が妖しく輝いた。

ノクサが忌々しそうに剣を睨んだ。


「本気で壊すから、邪魔しないで。」

ノクサが抑揚のない声で言った。


剣を地面に突き刺した。


「正気か?」


アナーシャを無視してノクサが杖を取り出し構えた。


空気が揺れた。


剣の周りの地面が沈んだ。


「やめろ……」

アナーシャが力なく呟いた。


周りの地面が抉れ瓦礫が中心に引き寄せられていた。


剣の下が黒くなる。


連の隣でユーノが息を呑んだ。


「ぐっ……」

アナーシャが苦しそうな声をこぼした。


音が消えた。


突如パキン、という澄んだ音があたりに響いた。

刃に亀裂が走り、砕けた。


剣が砕けると同時に黒も消えた。


「終わった。」

そうノクサが呟いた瞬間アナーシャが倒れた。


「アナーシャ!」


駆け寄った連のブレスレットが光ったのは誰も気づかなかった。


「今日は帰るよ。」

倒れたアナーシャを一瞥し、ノクサは帰っていった。


「アナーシャに何したの?」

ユーノがノクサに聞いた。


「私は何もしてないよ。」


「『歴史』が勝手に守っただけ。」


「私は帰るよ、次はもうちょっと強くなっといてね。」

そう言い残しノクサは去っていった。


連とユーノがアナーシャを抱き起こしていると後ろから声をかけられた。


「さっきまで騒いでたのはあなたたち?」

そう背後から問いかけられた。


「誰?」

ユーノが身をこわばらせて言った。


「私は先生のお使いで来たの。」


「付いてきて。」

女は名乗らなかった。


「先生って誰だよ?」


「助けたくないの?」

アナーシャを指さして言った。


「連、今はついていこう?」


「……分かった。」

意識のないアナーシャを見て頷いた。


「ゲート展開。」

女は小さな機械を起動させた。


空間が歪み扉が現れた。


「付いてきて。」

女は振り返って言った。


扉の先は書庫のような空間が広がっていた。


「先生、連れてきたよ。」

女はチェックのインバネスコートにディアストーカーハットの人物の背中に声をかけた。


「探偵……?」


「ご苦労さま。」

振り返った人物は、水色の瞳をしていた。


「はじめまして、私は『文学』のナラティア。」

微笑を浮かべ、そう名乗った。


「『文学』ってことは十書の?」

ユーノが問い掛けた。


「先生に向かって失礼ですよ。」


「別に気にしてないから大丈夫だよ。」


「確かに私は十書の『文学』だよ。」


「そこにいるのは『歴史』かい?」


「そうだ。」


「だいぶ無理をしたんだね。」

アナーシャを見ながら言った。


「目を覚ますのか?」


「覚ますけどしばらく先だと思うよ。」


「目は覚ますんだよな?」


「もちろん。」

ナラティアは頷いた。


「ここじゃ何だし、移動しようか。」


部屋の外も本棚が広がっていた。


「うわぁ……」

ユーノが感嘆したような声を上げた。


「ここは王都の禁書庫だよ。」


「さて、この部屋だ。」

ナラティアが開けたドアの先には少年がいた。


「何か用か、ナラティア?」


部屋中に本と紙の束が積み上がっていた。

その中心で少年が本を広げていた。


「お客さんだよ、リンガリア。」


「そうか。」


「おれは『言語』のリンガリア。よろしくな。」

本を閉じ名乗った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ