6話 帰還、邂逅、ギルドマスター。
「おい、見ろよアレ……」
「うお、でっか…… あんなヤツ居たか?」
「いや、そっちもだけどよ、あの魔物。あれって深層のギガントマンティスじゃないか?」
「いや、それにしては小さく見えるが…… 担いでるヤツがデカすぎるからか。目の錯覚ってやつだ」
朝一番、魔の森からドベルグの街に戻り、冒険者ギルドへと向かう私たち。
主にガストンが少々目立ってはいるが、シャドウリーパーはそんなに目立っていないようでよかった。
騒ぎを起こしたいわけではないし、恨みや妬みを買いたいわけでもない。私ならどうとでもできるが、無駄な時間は使いたくないので。
さて、ギルドへ到着。
受付の、いつもの人の元へ。
このギルドに来て最初に対応してくれたこの女性を、私は愛用…… 重宝?している。無理なく融通を効かせられるように、ゆっくりと私への好意を浸透させているからだ。便利で助かる。
「おかえりなさい、レティ。今回も無事でなによりだよ」
「ただいま、ライラ。……ちょっと、ギルドマスターを呼んできてもらっていいかしら?」
「どうしたのさ? マスターは忙しいから、相手してくれるかはわからないよ? 話は通すけどさ」
「そうですよね。……シャドウリーパーの件、と伝えてください」
「あいよ、わかった。ちょっと待ってなね」
シャドウリーパーは、高位の冒険者パーティにしか知られていない、ちょっとした機密だ。
これを低位の私たちが知っている、というのは、大したことはないが異常事態ではある。
少なくとも、話は聞いてくれようとするだろう。……対面さえすれば、どうとでも出来るからね。
受付嬢、ライラが戻ってきた。
少しだけ困惑しているが……。
「すぐに来い、だってさ。その魔物も、そのまま持ってこいって言われてるよ。素材受付には持っていくなって念を押されたよ? なんなんだい、ソレ?」
「ふふ、コレは内緒よ。案内してもらえるかしら?」
ライラの案内で、三人でギルドマスター室へ。
扉を潜ると、そこにはソファに座った、メガネで高身長の優男がいた。メガネもちゃんとあるんだ、この世界。初めてみた。
「座ってください、三人とも。ライラさん、案内ありがとう。受付に戻ってください」
声も優しげだが、力強い。たしかに実力者ではあるようだ。
「……ソレですか、シャドウリーパーは。確かにギガントマンティスよりも魔力濃度が高い。……そうですか、コレを一撃で…… ううん、厄介な」
ガストンが地面に横たえたシャドウリーパーを見て、ギルマスが一人でずっと喋っている。
どうやらそういうタイプらしい。そろそろ交渉がしたいのだが……
「まずは、自己紹介をしてもいいかしら?」
「ああ、そうでしたね。すみません、我がギルドの新たな実力者の扱いをどうするか、考え始めてしまっていた…… 私は、ドベルグの冒険者ギルドマスターであり、ドベルギウス伯爵領領主、ダイヤモンド・ドベルギウス伯爵が第四子、アメジスト・ドベルギウスです。貴族ではありますが、ギルド内では冒険者の長として、これからよろしくお願いしますね」
……これはこれは。お貴族様とは。
冒険者から得られた情報にはそんな物は無かったが……。ギルドに入り浸る程度の冒険者なら、持っている情報もそれなりでしかないということか。
私の計画が、想定より早く進みそうな誤算だった。
ここまで読んで頂き有難うございます。
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