35話 戦利品報告、次の目的。
「第一ダンジョンの、四層ですか…… あなた方のランクではまだ早い場所ですが」
「だからこちらに戦利品を持ってきたのですよ?」
「ですよね…… 今回は何を持ってきてくださったのでしょうか」
ドベルグ鉱山第一ダンジョンから街へ帰還、まずは戦利品の中から売るものを冒険者ギルドに持ち込んだ。
下の買取ではなく、ギルマスに直接。
今回も冒険者ランク以上の品があるから仕方ないのだ。
「エリアボスを二体倒しました。魔導クォーツゴーレムと、古代ゴーレム。古代ゴーレムのコアが目当てでした」
「なるほど、杖ですか」
さすがギルドマスター。素材が何のためのものかちゃんと理解している。
他所のギルドがどうかはしらないが、少なくともここのギルドはちゃんとしてるな。
……不正を強要している身で言うことではないが。
「保持しておきたいものはもうわけてあるので、残りのこの…… 手押し車の中身は全部売却させていただきたいです」
後ろで控えさせているイチが、手押し車を少しこちらに寄せる。
ギルマス、アメジストが席を立ち、手押し車に近づき眺める。
「魔導クォーツゴーレムも討伐したんですよね。これがコアか…… 他のものは適正で買い取るとして、このコアだけは少し時間をいただいても?」
「何故です?」
「使い道がありましてね。欲しがっている貴族がいらっしゃるんですよ。……互いのために、そちらに流す方がよろしいかと」
貴族に恩を売る、というわけか。
そして、その際に『最適解』の名前も売ってくれると。それなら文句は全くない。
即金が欲しい訳でもないし。
「では、そのようにお願いします」
「ありがとうございます。悪いようにはしませんから」
私欲と、ドベルギウス家の利益、それらは勿論あるが、私への害意は無く。
むしろ、多少は協力してあげたい、なんて感情が存在している。
ふふ、人間属性で地道に思考を染めてきた成果が出てきている。
話は終わり、ギルドの一階でシエラとガストンと合流する。
今日はもう夕方になるので、ガストンの知り合いの鍛冶師の所へは明日に向かう。
「レティさん、今日はどうしますか?」
「そうですね…… 夜間に済ませられる依頼があればそれを。なければ鉱山第二ダンジョンと、墓場ダンジョンのある街の情報収集をしましょう」
まずは依頼板を確認。
下位の依頼であれば、薬草採取、ストーンラビットの肉納品などが恒常依頼で存在しているが。
「面白くないものばかりですね」
「面白い依頼なんて、そうそうないですよ……」
「そもそも魔の森も、深くまで行かなきゃなにも起きないわよねー」
深層に向かうなら、数日はかかってしまう。
さすがに夜間の依頼は諦めるか……
「では、数時間ほど情報収集をして、それから夕飯をいただきに向かいましょう。ガストン、行きたい店があると言ってましたよね?」
「ああ、そうなんですよ。料理教室の先生がやってる店で…… ちゃんと食べて学びたいなと」
向上心があって大変よろしい。
というわけで、数時間ほどを第二ダンジョンと、墓場ダンジョンのある街についての情報収集に使って。
それから晩御飯だ。
ドベルグ鉱山第二ダンジョン。
構造や階層は第一と同じ。内部の魔物も、三層までは同じらしい。
四層から、ゴーレムに加えて、鉱物を食う魔物が現れるという。
たとえば、メタルスライム。メタルという名だが、金属に限らず宝石などを身に宿す珍しいものも居るらしい。
弾力があるし防御力も高いが、ほとんどが電気を通してしまう。シエラの敵ではない。
たとえば、デミドラゴン。
地竜、アースワイバーン、ロックドラゴンなんかがそうだ。
外皮は硬いが、クォーツゴーレムほどではない。
石弾か岩砲弾でなんとかなるだろう。シエラの敵ではない。
「……シエラ、万能過ぎませんか?」
「なぁに、レティ?」
優秀すぎると、戦闘が退屈になるな……。
まあ戦闘が目的ではないのだけども。
ここまで読んで頂き有難うございます。
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