32話 石弾の有用性、新たな目標。
「『サンドストーム』!」
細かな硬い砂が、風に乗ってストーンゴーレムを襲う。ガリガリと表面が削れていく、が。
……思ったより時間がかかるな。
一方的に勝てはするが、タイムパフォーマンスが悪い。
これなら、石弾を大量に打ち付けた方が早い。
「シエラ、感触はどうですか?」
「うーん、イマイチね。魔力の消費は少なくていいのだけど、時間がかかるわねぇ……」
「もっと風の回転を早くする、砂を増やす、などはどうでしょう?」
「一旦やってみるわね」
ごうっ、と、風の勢いが強まる。
……さっきよりは削れるのが早い。関節部が先に磨耗しきり、腕がとれた。
だがここまでしなければいけないなら、ゴーレムにはあまり使えないか。顔のある生きた魔物に使うなら、とても強い気はするが。
「ありがとう、シエラ。次は石弾の連射でやってみますか」
「レティが前に教えてくれた、先端を鋭くして回転させるやり方でいいかしら?」
「そうですね…… 先端は鋭く、回転を強めてやってみましょう。大きめの弾で高速で発射、できますか?」
「大きめの、回転、高速発射! どうかしら!?」
砂嵐で摩耗したストーンゴーレムと、その後ろから近づいてきたクレイゴーレムに、それらが発射される。
クレイゴーレムは、コアに直撃、一撃で倒せた。
ストーンゴーレムには何発もかかるが、物量で押し切り粉々にして討伐。
「こっちの方が早いわね。魔力消費もそんなに変わらないわ!」
「なら、やはりそれで進みましょうか」
「結局これなのね! それならもっと極めたいわね、石弾」
あとできることは、素材を硬くする、先端の形状を変える、回転力を高めるために溝を彫る? それと、他の魔法との組み合わせか。
相手が生身なら、石弾に毒を塗って内部から侵せるし、炎と組み合わせて榴弾のようにしたっていい。他にも良い組み合わせはあるだろう。
「お? レティさん、コレは…… ああ、いえ、違いました」
「なんですか、ガストン?」
戦闘が終わり、ドロップ品のコアを回収。
その横でガストンが何かを見つけたようだが。
「すみません、これです。金かと思ったんですけど、違いますね」
「なるほど、パイライト。金ではないにしろ、コレクションとして持ち帰りましょう」
パイライトは、愚者の金、と言われる鉱物だ。
ストーンゴーレムからは、こういうのもドロップする。鉱物が好きな私としては、とても嬉しい。
「鉱物のドロップはこの階からですかね。ふふ、いろいろ拾えるならコレクションが捗ります。鉱物の原石はひとつとして同じ形は無い。素晴らしく綺麗ですね」
「コレクション! 私もしてみたい!」
「一緒に並べていきましょう。コレクション部屋が欲しいですし、宿じゃなくて家を借りてもいいですね……」
「そうですね、俺もそう思います。宿の調理場もいいですが、やはり自分の家で好きなものを好きなだけ置いておけるほうが料理がやりやすいです」
それなら近いうちに、不動産屋も見に行ってみよう。
キッチンが広く、風呂場があり、部屋が少し多めの家。条件的に、安くはないだろうけども。
「おっと、また来ました、魔物……ゴーレムが三体ですかね?曲がり角すぐです」
「シエラ、石をもっと硬くできますか?」
「うーん、イメージが難しい…… こうかしら?」
曲がり角から出てきたストーンゴーレムに、シエラの渾身の石弾が直撃。 腕を捥ぐ事に成功したが。
「鉄などにできれば強いのですが……」
「ぜんっぜんイメージできないわ! ……帰ったら、鍛冶屋さんの見学してきていい?」
「そう、ですねぇ…… 私も見てみたいですし、いいですね」
魔法はイメージが大事。
だが、知らないことはイメージのしようが無いのだ。
「それなら、俺の知り合いの店に行きますか? 鍛冶の腕はそれなりですけど、鍋作りとかの見学をさせてくれるんですよ」
「おー! さすがガストン、お友達が多いわね!」
「シエラも、最近友達がいっぱい増えたって聞いたぞ?」
「ふふ、みんなとお話するの、楽しいもの。もっともっとお友達を増やしたいわ!」
うんうん、いい事だ。交友が広いほど、得られる情報の量も精度もあがるし、悪い噂も立ちづらい。
私のためにも、街の皆ともっと仲良くしてもらわないと。
ここまで読んで頂き有難うございます。
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