31話 初ダンジョン、快進撃。
「忘れ物はないですね?」
「シエラとダブルチェックしました。問題ありません」
「完璧よ!」
「ありがとうございます。では、向かいましょうか」
休暇あけて翌日。
今日から数日かけて、先ずはドベルグ鉱山第一ダンジョンの攻略に向かう。
目的は、四層のエリアボス、古代ゴーレムのドロップ品、古代ゴーレムのコア。
第一ダンジョンでの目的を果たしたら、また一度街に戻ってくる予定だ。
ドベルグの街から数時間。
ドベルグ鉱山麓の鉱夫村まで到着。
ここの冒険者ギルド支部、という名の小屋で、ダンジョンへの入場を記録してもらう。
この記録によって、軍や騎士団が『スタンピード』対策でダンジョンを掃除する必要があるか、がある程度決められるらしい。
滞在予定日数を伝え、帰りは顔を出すように伝えられ、記入は終わり。簡単だが、大まかにでも状況を把握出来るのはいい事だろう。
さて、今回のパーティ編成は。
基本的に浅層の柔らかい雑魚魔物は、シエラの土魔法、『石弾』で事足りるだろう。
だが、中層、深層のゴーレム相手では、足止め要員が居た方がいい。
ということで、前衛はガストン、ポーターズのうち一人二人、それと、『レナトゥス・オーダー』の元山賊頭、『タンくん』を編成した。
ちなみにネーミングは絶不評だ。前衛守りのタンクと、前世のとある国の逸話、虎の山君、を組み合わせたいいネーミングだと思ったが。……まあ、この世界で前世の逸話を交えたネーミングが受け入れられるわけがないか。
というわけで、前からガストン、ポーターズ二人、タンくん、シエラ、私、ポーターズ一人、という感じ。
後ろのポーターズは手押し車係、本来のポーター要員だ。
「ダンジョン、入るのはじめてだわ!」
「私もはじめてですね。内部は空間が歪んでいる、と言いますが…… 感知系の魔法はちゃんと作動するんでしょうか?」
「そういうのはちゃんと動くみたいですよ? だから、空間がおかしいのは魔法ではない、って説が有力です」
なるほど?ダンジョンはよくわからないな。
ともかく、ダンジョンへ足を踏み入れる。
入口は普通の洞窟だ。扉やゲート、みたいな物はない。
段々と暗くなっていき、その辺から壁に松明がかけられている。我々には関係ないが、だれがこれを維持しているのか。ダンジョン自身か……。
「魔物の反応は…… 普通ですね。弱い魔物、スライムやワームなんかの気配が多いです。レティさん、人間はいませんか?」
「人間の反応は…… 感知範囲内にはないですね。でしたらシエラ、動くものが見えたら全部撃っていいですよ」
「わかったわ! 全部任せて!」
シエラの石弾で一層はサクサクと攻略。
二層へ突入したが、クレイゴーレムも石弾で事足りている。
魔物はヘッドショットで倒せるし、ゴーレムはコアの位置がわからなくても散弾のような弾数でなんとかなっている。
「飽きたわね」
「ここからですよ、シエラ」
「景色が変わらないと、面白くはないですよね。……ダンジョンに面白いも面白くないもないとは思いますけど」
ここまでで丸一日。結構歩いたが、景色が変わらずとても退屈だ。
なので、一旦休息にする。
「ガストン、ご飯はどうするんですか? ダンジョン内で火を起こしたりしてもいいんですか?」
「そうですね、火魔法が問題無いですし、焚き火も問題ないでしょう。……そうだな、まだ危険も無いですし、ワームも出なくなってますし、シチューでもしますか?」
「シチュー! おいもはあるかしら!?」
「もちろん、芋と肉は全員が満足できる分を持ってきてますからね。……ちなみに、普通は携帯食料を食べるか、水筒に入れたスープを魔法使いに温めてもらって干し肉を浸して食べるか、なんですよ」
う、そんな食事をするくらいならしないほうがマシだ。
つくづく、ガストンとシエラを拾えて良かったとおもう。でなければ、冒険者は続けられなかっただろう。
最初の頃の私は、冒険者を舐めていたな。
「ガストン、デザートもありますよね」
「……もちろんです! シエラ、後でデザートの解凍してくれるか?」
「今日はなにかしら!? 食後も楽しみね!」
……本当に。
ここまで読んで頂き有難うございます。
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