28話 ドベルグ帰還、ギルマスに報告。
帰路につく。
ドベルグからの行きと違い、帰りは荷物が少ない…… はずだったんだが、めちゃくちゃ多い。
まず、二十八体の『レナトゥス・オーダー』。
それから、野菜、穀物、果物などのバルトの街の特産物。
帰りにつまみ食いする為の屋台飯。
あとは、売り切れなかった略奪品がいくらか。
「荷物、多いですね……?」
「うーむ、マジックバッグはいくら積めば手に入るのでしょう? 伯爵様に尋ねておけばよかったですね」
「見た目よりいっぱい入るカバンでしょ? 空間属性、ってあるのかなあ」
こういう不測の事態が起こるのであれば、多少の無理をしてでもマジックバッグは欲しいものだ。
できれば、六畳間分くらいはいるやつ…… こっちには畳が無いから私にしかわからないか。
「帰ったらギルドマスターに聞いてみるとしましょう。さて、次の目的ですが、古代ゴーレムのコアとミスリルは、ドベルグ鉱山の第一、第二ダンジョンで手に入れられるはずです。エルダーリッチは…… ドベルグには墓場系ダンジョンはありませんでしたよね? また別の街に行く必要がありますね」
「あー、たしかドベルグから西に、墓場ダンジョンのある街があったはずです」
「お墓? おばけとかでるの?」
「ゴーストという魔物もいるようですね。魔石はあるのでしょうか」
「ガストンはおばけ大丈夫なの?」
「俺は…… そういえばおばけとかは大丈夫ですね……?」
また遠出になりそうだ。
次は今回の反省を踏まえて、退屈しないような旅程にしたいな。
今更だが、この世界にはダンジョンというものがある。内部が洞窟になっていたり何故か草原が広がっていたり、そういうのだ。
ダンジョンにも魔物がいる。ダンジョン外のものと違い、生き物ではなく、データのようなものだ。倒すと消え、魔石やドロップ品が落ちる事が多い。そして、一定時間でリポップする。ゲームみたいだね。
ダンジョン自体が魔物という説もあるし、神が人間に与えた恵みという説もあるが、定かではないし、私には関係ない。
ともかく、この世界はそういうものだ、ということだ。
帰路は、普通の街道を進む。
レナトゥス・オーダーには気配遮断を付与しているので、人がすれ違っても問題ない。
旧道は、あの崖の下は気になるが、それはまた今度にしようと決めた。荷物の少ない時に行こう。
道中なーんにもなく、ドベルグに着いた。
やはり、暇潰しは必要だ。数日も暇すぎて、レナトゥス・オーダーの改造が捗ってしまった。
「……みんな顔が良いですね」
「この世界の美形の基準を意識してみました。ガストンから見ても、変ではないですか」
「ええ、少なくとも我が国では、これはイケメンでしょう」
「なんだか、劇団みたいね?」
劇団、か。感情を削除してるために感情表現をさせるのは少し難しいが、いずれはそういう用途のものをつくっても楽しいかもしれない。
レナトゥス・オーダーは空き地に纏めて置いておき、我々三人は冒険者ギルドへ。
二人は併設された酒場に向かわせ、私一人で、ギルドマスターに帰還の挨拶に向かう。
受付のライラに話を通し、いつも通りギルマスの執務室へ。
いつも通りめんどくさそうな顔をされながら、席を勧められる。
「本日帰還致しました。ゼノス伯爵様のご依頼は完遂しました」
「ご苦労様です。……ゼノス様は、問題無さそうでしたか?」
「今年中には、良い報告が届くでしょう」
「それは…… なによりです。…………で、なにか他にございますか?」
早く出ていって欲しい、と、何かあるなら全部吐け、と。ギルドマスターって大変だな。
「ドベルグ鉱山の第一、第二ダンジョンに用事があります。入場しても問題ありませんか?」
「ええ。第三以降でなければ、冒険者ランクの縛りはありませんよ。しかし、深度はランクによって目安がありますから、そちらは気にしていただけると助かります」
また面倒な素材をもってくるなよ、もってくるなら私を通せよ、との事だ。いつも通りだね。
「もちろん、承知しておりますよ。伝えるべきはこれだけです。……ああ、あとこれは相談なんですが」
「ええ、なんでしょう?」
「マジックバッグ、買えたりしませんか?」
「……マジックバッグですか。我が家……ドベルギウス伯爵家であれば、幾つか保有してますが。当然これらはお売りできませんし。ここ数年は、オークションも開催されてませんからね……」
望み薄、か。
奪う……のは最終手段として、他に方法は無いものか。
「ああ、そうだ。ドベルグ鉱山第二ダンジョンの、最深部ボスの討伐報酬部屋から出た、という記録があったような……」
よし、最深部攻略決定だ。
ここまで読んで頂き有難うございます。
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