22話 家族の紹介、衝撃の新事実。
ジャガーノートの肉をメインにした昼食をいただきながら色々な情報をいただいて、一休みの時間。
「そうそう、私の妻と娘も紹介しておこうか。アーノルド、二人を呼んできたまえ」
「はっ、ゼノス様」
最初からずっとゼノス様の後ろに立っていたアーノルドと呼ばれた執事が、部屋を出る。
ゼノス様が部屋に一人。ではなく、屋根と壁に三人ほど控えている人間がいるのがわかる。
こちらへの敵意は無いが、いつでも攻撃できるように準備はしているようだ。さすが伯爵家、セキュリティは高い。
さて、夫人とお嬢様への手土産はともかく、二人に対する『レナトゥス・オーダー』の売り込みはどうするか……。
今は女性型を二体、気配を完全に消して後ろに控えさせているが、いつお披露目しよう。
「お二人をお連れしました、ゼノス様」
「ご苦労。入れ」
アーノルドに連れられ、二人の女性が部屋に入ってきた。
薄緑髪の、スタイルがとても良い女性と、その女性をそのまま二回り小さくしたような女の子。
「我が妻シンシアと、我が最愛の娘、ナディアだ。二人とも、こちらは私が以前話していた『最適解』の三人だ」
「まあ、夫がお世話になっております。シンシアでございます。いや、お若いのに大変優秀で面白いと夫が……」
「おい、その辺にしておけ。……ナディアも、挨拶しなさい」
「うん、パパ。 ……お初にお目にかかります、バルトフェルト伯爵が第一子、ナディア・バルトフェルトでございます。父からかねがねお話は聞いております。【日本語はわかりますか?】よろしくお願いしますね」
…………は?
いや、まて、表情に出すな。制御しろ。動揺も、必要ない。こういう可能性は常にあった。私がそうなのだから。
ナディアの思考を読んでみる。
ああ………… 日本語だ。こちらの世界の言語と同時に、日本語でも思考している。
思考を読めた。つまり、人間属性は効く。色々と操作もできる。少なくとも、敵にはなり得ない。
何故私に日本語を聞かせた? どうやってバレた?
いや、誰にでも一回はそうしているようだ。私だからではない。やはり、同郷の者が恋しいのか。
……ひとまずは、それだけわかればいいだろう。
「お二方とも、よろしくお願いします。改めまして、私は冒険者パーティ『最適解』のリーダーを務めさせていただいております、レティと申します。お見知り置きを」
「あ、えと、『最適解』の前衛を務めますガストンと申します。お目にかかれ光栄です」
「『最適解』の魔法使い、シエラと申します。本日はお邪魔させていただいております」
さて、どうする。
日本語がわかることは、隠しておくべきか?
話すメリットは、転生やらの情報を得られる可能性があるということ。しかし、私が何も知らないのだから、ナディアも知らない、だろう。
それに、いざとなれば寝てる隙に記憶を読めばいい。
対してデメリットは…… 特にないか。ナディア自身には敵対するつもりが無いようなので、少なくともナディアにカミングアウトする分にはデメリットが無さそうだ。
…………なんだかんだ考えたが、デメリットが無いなら好奇心のままに、が私のモットーだ。
それに、たまには対等な立場、似た境遇の人間と会話をして、思考のチューニングをするべきだろう。
ふふ、退屈な交渉の場だと思っていたのに、俄然楽しくなってきた。
「お二人にも手土産を用意させていただいておりますよ。伯爵閣下へお渡ししております。後ほどお受け取りいただければ幸いです【後で話しませんか?】」
「っ! ねえパパ、私、この方々の冒険のお話をもっと聞きたいわ。後でお部屋に呼んでもいいかしら?」
「ナディア、それは…… いや、外の話を直接聞くのも大事か。『最適解』たちよ、よろしいか?」
「もちろんでございます、閣下。過激な話は控えめにいたしますね」
「うむ、うむ。そうしてくれると助かる」
さて、私を含め二人目の転生者、どのような人物なのだろうか。
良い関係を築けたらいいが。
ここまで読んで頂き有難うございます。
【ブックマークの登録】
【画面下↓の【☆☆☆☆☆】からのポイント評価】
是非宜しくお願いします!!




