18話 ボーナスタイム、オーダーの使い道、リサイクル。
「ふふ、やはり溜め込んでましたね。賊の討伐、これからは見かけ次第積極的にやりましょうか。世のため人のため、正義のトレジャーハント、といったところでしょうかね」
「オーダーも増やせるし、ボーナスもでるし! 街に着いたら、ポーターズに甘いもの売ってるお店の情報を集めて貰おうかしら?沢山食べれるわよね!」
「……まあ、いただける金が増えるならいいんですよ。賊なんて居なくなる方がいいですからね」
実際どう思ってても、母のための金が一番大事なんだよね、ガストンは。
ていうか、ポーターズ。イチとニとサンの事か。アシッドダガーというパーティ名だったはずだが…… これからはそう呼ぼう。
さて、賊のアジトから、使えそうな物、金目の物、そもそも金などを回収し終えた。
二十七人の賊は、すでに『レナトゥス・オーダー』としての改造済。
女盗賊の二人は、特別な用途に使うため、見目麗しく、しかし目立ち過ぎない容姿に変更。
ついでに、元王族である私の知る礼儀作法、基礎教養、護身術も脳に刻み込んでおこう。
「美しい体型のまま人間離れした耐久性と怪力を実現するために、筋肉と骨の密度を最大化しましたが…… 少し重量がかさみましたが、安定感があって良いということにしておきましょう」
「線が細いのにポーターズより強いのか…… この二人は、どう使うつもりなんですか?」
「ああ、ガストン、あなたの想像のうちのひとつも需要はあるでしょうが…… これは、ゼノス伯爵の家族のために売りつけようと思っているんです」
「ああ、なるほど! 夫人やお嬢様の護衛としてですか。たしかに、レティさんの改造した人間なら、絶対に裏切らないし絶対に壊れないし……売れそうですね……」
絶対の忠誠、壊れない体、圧倒的な怪力、寝ずに働き、感情が無く文句を言わず、人間の脳だからこその柔軟な命令対応。レナトゥス・オーダーはそれを活かして、販売や貸出をしていこうと思っている。
そこに特別な品として、女性型を用意する。
どこにでも帯同できる女性向けの護衛として、貴族たちは欲しがることだろう。
「ガストン、あなたの母の手伝いとして、次に女性型が手に入ったらデータ収集を対価に無償で貸し出しましょうか?」
「いやいやいや、大丈夫です、一般市民には必要ないですよ、ほんと」
……いい案だと思ったが、倫理観から拒否された。まあいい、ならば倫理より実利をとる貴族向けにチューンして、付加価値を高めて売りつける方向でいこう。
貴族にも倫理というアクセサリーはあるが、圧倒的な実利の前では無駄な飾りでしかないのだから。
『元賊なので、誰も文句はいいません。ご希望であれば、別料金で顔を変更したり、体の一部を変更したりもできますよ』……これでいこう。
「みて、レティ! 本もあるわよ!」
「……『勇者とドラゴンの恋物語』ですか。貴族間で流行ってるのは聞いたことがありますが、面白いんですかね?」
実用書ではないが、時間があればシエラが読んだ後に貸してもらおう。ファンタジー小説は、昔は好きだった。
……あれ、こっちの世界では『ファンタジー』じゃないのか。
そんなこんなで、全てを回収し、アジトにもあった手押し車数台に詰めに詰めて、私たちパーティとポーターズ六人に加えて『レナトゥス・オーダー』の三十人、解放した平民五人を連れて魔の森の旧道へと戻る。
大変な大所帯になったが、オーダーたちが溜め込んでいた食料もあり、維持費は変わらず。
ガストンがまた無駄な情を湧かすのではないかと思ったが、平民五人はともかく、元賊のオーダーたちには『人として』の接し方はしていない。
『ガラと頭の悪い冒険者なだけだったポーターズと違って、賊なんてのは殺されて当然のゴミです。だからコレらは再利用されているだけのゴミ。人間なんかじゃねぇんですよ』、とのこと。
ふふ、ならこれからも遠慮なく、悪党をリサイクルしていこう。
ここまで読んで頂き有難うございます。
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