15話 愚か者の代償、計画修正、未知への期待。
本日一つ目の投稿です。
「温泉の水を、大量に飲んだ……魔力汚染ですね」
「あー…… また何でそんな事を」
「どうやら、そこの女性の懐妊を聞いて、祝いの酒を飲みすぎ、酔い覚めにそれを飲んだみたいです。あまりにも愚かですね……」
「……懐妊!? そりゃあめでたいですけど!」
女性に連れられ、その夫の所へ。
私がバイタルをスキャンしたところ、それらが発覚した。
サクッと魔力汚染を治し……ついでにいろいろ改造する。
これでもう、この男は健康だ。……一生、ね。
男の顔色が戻り、寝息が整ってきこえる。
完全に、完璧に治した。
「さ、済んだし、街を出ますよ」
「え、あ、ありがとうございます……?」
「……母子ともに健康でありますように」
無駄な時間をとられた。
女性がまだ寝ている夫に気を取られているうちに、さっさと村を出る。
「ねえガストン、かいにんってなに?」
「ああ、懐妊ってのは、お腹の中に赤ん坊がいるって事だ。……いやあ、めでたい」
「赤ちゃんが産まれるのね! あの男、お父さんになるんだ。レティに治して貰えてよかったわね?」
……いいものか。
妻と子を残して、自分の愚かさで死ぬところだったんだ。
守るべきものも守れずに、自分の欲で破滅するようなやつに、父にも夫にもなる資格はない。
「あの男には、妻子を残してくたばりかけた罰として、肝機能を極限まで最適化し、二度と酔えない体に改造してやりました」
「うお、えげつないですね……」
「おさけって飲んだことないからわかんないけど、節約にもなるしいいんじゃない?」
酒自体、酩酊自体は否定しないが、今回の件は許せなかったから。
ついでにメンタルも改造して、仕事と、妻子に尽くすことに至上の喜びを感じるように。
……あと、母体のほうには、健康を損なえないように、無事に生まれるようにいじっておいた。
母体は健康である義務がある。そのはずだ。
自分の手の届くところに来た命くらいは、救っても然程のコストにならないだろう。
さておき。
「そういえば。ガストン、地図を出してください」
「……はい、わかりました。レティさん、これ、本当に大丈夫ですか? この地図、例えば隣国に売れば爵位が貰えるほどの、重要な……」
「さすがガストン。えげつない思考ですね?」
「いやいやいや、そういう事じゃなくて……!」
「大丈夫ですよ。アメジストが快く貸してくださっただけですからね。そんなことより、ここ、ほら」
地図の一部を指さし、ガストンとシエラに共有する。
南西に広く広がる魔の森。
そのスレスレに、我々が進むべき南東への近道がある。
「旧道…… 魔の森が広がって消された道ですかね? これを?」
「誰も行かなくなった道! わくわくするわね?」
「そうですね。こちらのほうが、街道を進むよりも一日と少しの短縮になる試算です。危険はあるでしょうが……我々であれば、多少の羽虫が湧いてもどうともならないでしょう?」
魔物が出てきても、私たち、なんならポーターだけでも、足を止めることなく排除して進めるだろう。
景色が変わるだけでも万々歳だ。
思ったより、歩くだけの道中はつまらなかった。
「さて、では行きましょうか」
「ふふ、森のそばなら、果物とかなってないかしら?」
「何事も無ければいいんだが……」
ここまで読んで頂き有難うございます。
【ブックマークの登録】
【画面下↓の【☆☆☆☆☆】からのポイント評価】
是非宜しくお願いします!!




