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【人間属性】の追放王女と改造された仲間たち 〜バイタルもメンタルも”完璧”に調整します〜  作者: クロン・ベリル


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10/20

10話 休息、最高の料理、最適な方法論。

「そこそこ歩きましたね。今日はここで食事にしましょうか」



疲労や眠気などは排除しているが、空腹は大事なものなので排除しておらず。そろそろお腹がすいたので、休むこととする。

魔の森中層、少し拓けた場所。

ここは他の冒険者が拓いた、のではなく、ただ自然にぽっかり空いているだけの土地だ。焚き火の跡なんかもない。


街で買っておいた魔除の結界石を発動させ、安全を確保する。

鍋なんかを壊されてはたまったものではないからね。



「イチ、二はガストンと一緒にボアの解体と調理補助にはいって。サンは薪を集めておいで。なにか危険があったら、ガストンじゃなくてシエラのほうに走ること」


「わかりました、レティさま」


「レティさん、スープとステーキ、どっちが好きですか?」


「脂まみれ香辛料まみれの、極厚ステーキでお願いしますね。ああ、焼き加減はレアでお願いします。脂の部分だけ、強めに火をいれてほしいですね。できますか?」


「……あ、そうか、お腹壊したりしないんだ。了解です、おまかせあれ」


「あ、わたしは甘い物が食べたい! なにかないかしら?」


「そうだな…… 持ってきた干し果物と、さっき拾った果物と…… そうだ、ミルクもあったな。シエラ、あとで氷魔法で手伝ってくれるか? アイスクリーム、というものをつくってみたいんだが」


「なにそれ! 当然手伝うわよ!」



先程討伐したハンマーボアを今夜のメイン食材とし、他にガストンが拾ったりしていたなにやらよくわからない香辛料や野菜なんかをあわせて、晩御飯をつくってもらう。

アイスクリーム、この世界にもあるのか。まさかとは思うが、私以外の転生者もいるのか? 私という例があるし、有り得はするか。


ガストンの巨体に似合わぬ繊細なナイフ捌きで、ハンマーボアが見る見るうちに解体されていく。

骨は砕いてスープの出汁にし、内臓の一部と肉と、乾燥野菜とで豚骨(?)スープに。

肉は私の要望通りのステーキと、シエラの要望のミンチ焼き、私の知る所で言うハンバーグになった。


食事が完成したので、皆で焚き火を囲んで食べる。

焚き火は落ち着くね。

極厚で、辛い香辛料がべったり塗り込まれたステーキを前に、私は今までに無く心が踊っている。


「いただきます。……美味しい……!! 甘く濃厚だけどもサラッとした脂に、辛味の強い香辛料が合わさって…… ふふ、脳が喜んでいるのがわかりますね……!」


「お、美味しいのであれば良かったです。……そんな嬉しかったですか?」


「ええ、ええ。毎日食べたいくらいですね!」


「これを毎日はさすがに太り……らないのか、そうだった」



ふふ、とてもとても気分が良い。ガストンの料理の腕は、私の想定外だったが、予想以上に有難いものだった。



「ポーターの三人も、ほら、スープだ。しっかり食べて、暖まるといい。……寒くもなければ眠くもないだろうけど、美味しいものを美味しく食べて、明日も頑張ろうな……」


「ありがとうございます、ガストンさま……」


「一人で食えるか?……よし、大丈夫そうだな。オカワリもあるからな」



ふむ。

道具のメンテ費用としては少し無駄だと思ったけど、ガストンに世話をさせる事でガストンのメンタルケアにはなる、か。

なら、必要経費としておこう。




デザートのアイスクリームも食べ、シエラも大満足の食事だった。

パーティでの団欒の時間も、二人のデータをしっかりと確認できるので大切にしていきたいものだ。



「そうだ、レティ。相談があるのだけど……」


「ええ、なんでしょう?」



シエラが真剣な顔で話し始める。



「ティタノベアの討伐の話なんだけどね。無傷の毛皮と、上質な脂、あとレティが食べるお肉が必要でしょ? 最初は毒で討伐しようと思ったんだけど……」


「毒だと、脂も肉もダメになるだろう、と?」


「そうなの…… 当たり前だけど、火も雷も使えないし。どうしたら綺麗に殺せるかしら……?」



なるほど。得意の高火力では、毛皮か脂か肉か、どれかもしくは全てを得られない、と。

解決するのは簡単だ。



「水を使いましょう。ベアの頭を、水の球で被って溺死させるんです。……そうですね、ガストンがベアに掴みかかったら、動きが鈍ってるうちにガストンごと水球に閉じ込める。それだけです。ガストンには、肺胞の酸素吸収率の最高効率化、潜水反射の強制発動で水中での活動時間を伸ばせばいい。ああ、余裕があれば、ベアの腹などに衝撃を与えると、早めに溺れさせられるでしょうね」


「……なるほど、それなら、水球にあわせて闇属性の球も被せたら、パニックにさせられるかしら?」


「さすが天才魔法使い。それもいいですね……。 できるのであればさらに、水の温度を凍らない程度に下げ、微量の電気を流してしまうのもいいでしょう」



冷水と電流でのショック反応に、急な暗闇に対する恐怖で心拍数をあげ、無理やり呼吸させ溺れさせる。

ガストンは潜水反射があるので大丈夫だろう。


「コントロールを維持しつつ、複数の魔法を発動…… ふふ、いい訓練にもなりそう! 楽しみになってきたわ!」



さすがシエラだ。天才の名に相応しい。



「ふふ、ガストンもシエラも、頼りにしてますよ」


「……わかりました。どうせ俺にはダメージもなにも無いんでしょうし……」


「うん、任せて! レティのために全力で頑張るから!」

ここまで読んで頂き有難うございます。

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