僕は辛いの平気です
僕は辛いのは平気です。辛いと顔が真っ赤になって汗もかくけど平気です。
だって辛いのを我慢するとお婆ちゃんが誉めてくれるんです。「良く頑張ったね、辛かったね」って。
だから僕はどんなに辛くても笑顔でがんばります
あ、お母さんが呼んでいるのでこの手紙を書くのはやめます。
さようなら。辛いところに行ってきます。
一ヶ月前にある少年から送られてきた手紙を読み直して私は溜め息をついた。
「はあ……ただの辛いもの好きの少年じゃないか」
話によると「家庭に問題あり」との事だったが、何も問題ない微笑ましい文章だ。
ぼーっと特に何も考えず手紙を眺めていると何かが、胸に引っ掛かった。
(『辛いところに行ってきます。』って変な文章だよな……)
私は目を見開いて戦慄する。急いで立ち上がり車に乗り込んで、カーナビに少年の住所を打ち込んだ。
「何で気づかなかったんだ……!!」
『辛』が『辛』ではなく――
―――辛だったとしたら……
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