みんなでwin-win
ヒロシ君(26) 同じ会社に勤めるアケミちゃん(24)の事が気になってしょうがない。
付き合ってはいないけど、時々二人きりで食事に行く間柄。
恋人まであと一歩とヒロシ君は思っている。
そんなある日、ヒロシ君のもとへ、アケミちゃんからLINEがくる。
「今度の土曜日 誕生日なんだけど、ヒロシさんに祝ってもらいたいから、一緒に食事でもしませんか」と。
土曜日の17時に待ち合わせすることにした。
アケミちゃんの誕生日、ヒロシ君はアケミちゃんの為に少し高いレストランを席のみ予約した。
待ち合わせ日当日、ヒロシ君はアケミちゃんに花を買っていこうと思い花屋にいったが、花屋がまさかの混雑、待ち合わせ時間に遅刻した。
ヒロシ君「ごめん。遅れてしまって」
アケミちゃん「ずっと待ってたんだから、ヒロシさんのこと」
ヒロシ君「ごめんなさい」
アケミちゃん「うそ、うそ、私も今来たところ」
ヒロシ君はアケミちゃんの首元を見る。
そこにはこの間、海外出張したときにお土産にと贈ったペンダントがある。
ヒロシ君「あれ、それ」
アケミちゃん「これ、気に行っているの。好きなんだ」
ヒロシ君、花束をアケミちゃんに渡す。
アケミちゃん「ありがとう。もらっていいの」
しばらく歩くと、ブランド物のバックがある店の前を通る。
アケミちゃん「ちょっとお店の中、見てもいい」
時計を見るヒロシ君。店の予約は17時30である。
ヒロシ君「いいよ」
ヒロシ君とアケミちゃんは店の中に入る。アケミちゃん、あるバックの前で立ち止まる。
アケミちゃん「わー素敵」
じっと見るアケミちゃん。そっと値札をみるヒロシ君 5万円の値札がついている。
アケミちゃん「行こう、ヒロシさん」
ヒロシ君とアケミちゃんは歩きだす。
レストランの前にくると、入口にはレストランの店員が待っていて、ヒロシ君とアケミちゃんを席まで案内してくれる。
レストランの店員が食べ物、ドリンクメニューを持ってくる。コース料理は8千円、1万円、1万5千円のコースがある。迷っているヒロシ君に店員が声をかける。
店員「メニュー表にはないのですが、今週限定のメニュー、季節のおまかせコース1人7千5百円があります。お勧めのメニューです」
店員のすすめにしたがって、季節のおまかせコースを頼むヒロシ君。すかさず、店側からウエルカムドリンクのサービスがある。
店員「お飲み物は何になさいます」
店員が聞くが、再び迷うヒロシ君、ドリンクメニューは5千円~5万円まであった。
店員「女性のお客様は何がお好きですか」
アケミちゃん「フル―ティなワインが好きです」
すかさず、店員、ヒロシ君の前にドリンクメニュー表を出す
店員「フル―ティなワインでしたら、このワインはいかがでしょう。とってもおいしいですよ」
メニュー表で指差されたワインは1万5千円、ヒロシ君はアケミちゃんを見る。
アケミちゃん「ヒロシさんにお任せします」
店員が指差したワインを頼むヒロシ君。
楽しくおしゃべりをするヒロシ君とアケミちゃん。
再び、店員がやって来てヒロシ君の耳元で囁く。
店員「お誕生日の方にサプライズのデザートはいかがでしょう。お一人3千円プラスにはなりますが」
アケミちゃんの笑顔を見るヒロシ君。
ヒロシ君「お願いします」
サプライズデザートに喜ぶアケミちゃん、アケミちゃんがトイレに行っているうちにカードで支払うヒロシ君(税、サービス料込 約4万3千円)
店を出る時に店員が、「ささやかなお土産です」と、ケーキの包みを出され、アケミちゃん更に喜ぶ。
アケミちゃん「あの店よかった」
ヒロシ君「そうだね、良い店だった」
行きに来た道を引き返す二人、あのブランド品ショップの前でアケミちゃんが立ち止まり、窓越しに素敵だと言ったバックをじっと見る。
ヒロシ君「プレゼントに買ってあげるよ」
アケミちゃん「花も頂いたし、ご馳走になって、そこまでされたら、悪いし。いいよ」
ヒロシ君、店に駆け込み、カードでバックを買ってしまう(5万4千円)
そのバックをアケミちゃんに渡す。
アケミちゃん「ありがとう、ヒロシさん」
アケミちゃんは、ヒロシ君の腕を触る。そして二人は歩き続ける。
待ち合わせの駅前につく、アケミちゃんとヒロシ君、時間は20時、ヒロシ君は思いきって言う。
ヒロシ君「あと1件、飲みにいかない」
アケミちゃん「ごめん、ヒロシさん、この後 家でパパとママがパーティーやってくれることになったの」
アケミちゃんは改札に消える。でもあの笑顔を見えたからいいかとヒロシ君は思う。
ヒロシ君が電車に乗ろうとした瞬間、アケミちゃんからラインが来る。
「ヒロシさん、今日はありがとうございました。記念に残る誕生日で、大変楽しかったです。次は、もう少し遅くまで飲みましょう」
スマホを見ながらニヤニヤするヒロシ君。
ヒロシ君「よーし、次、頑張ろう。今日はアケミちゃんと一緒に過ごせて、おいしい料理を食べて、とても良い日だった」
大満足なヒロシ君であった。