いざ、遊園地へ!
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「やー、いい天気だなー」
家を出ると、俺は空を眺めながら軽く伸びをした。
いよいよ今日は、四条達と遊園地に行く日。
まあ、それもこれも滝川への“飴”ではあるんだけど、それよりも。
「ハハ。まさか四条を含め、五人で遊園地に遊びに行く日が来るなんて、な……」
タイムリープ前は四条はいつも独りぼっちで、こうやって誰かと遊びに行ったりするなんてことはなかった。
それが今や、『甘エン』繋がりでここまで変わっちまうなんてなあ……。
とはいえ、滝川は今や俺達サイドだからいいが、まだ益村の奴がいる。
アイツは、中間テストが終われば確実に四条にヘイトを集めにくるはずなんだ。
まだ、気は抜けない。
「……ま、それは置いといて」
うん、今日は目一杯楽しむことにしよう。
俺は一人ウンウン、と頷くと、待ち合わせ場所の関町駅を目指して歩く。
すると。
「あれは……優奈?」
見ると、道端で退屈そうにスマホを眺めている優奈が立っていた。
だけど……優奈の奴、かなりオシャレして来てんなあ。
黒のリボンがついたカンカン帽に、白のゆったり目のブラウス、黒デニムのホットパンツに黒のタイツ、革のサンダルというコーデだ。
いつもの優奈には珍しく、かなりモノトーンで落ち着いた感じだなあ……って。
「よ、優奈」
「あ! かっちゃんおはよ!」
俺は駆け寄って声を掛けると、優奈はぱあ、と表情を明るくして挨拶をした。
「待ち合わせ場所は関町駅だけど、こんなところで何してたんだ?」
「あ……えーと……」
尋ねると、優奈は困った表情を浮かべながら言い淀む。
ふむ……ひょっとして。
「俺を待っててくれたのか?」
「っ!」
あ、どうやら図星みたいだ。
「え、えへへ……そのー……」
優奈は恥ずかしそうに苦笑する。
「だったら一緒に行こうぜ。俺も一人より二人のほうが道中楽しいしな」
「! う、うん!」
そう言うと、優奈は嬉しそうに俺の隣に来た。
「あ、それと」
「?」
「その服、スゲー似合ってる」
「あ……ホ、ホント……?」
優奈は、顔を真っ赤にしながら上目遣いでおずおずと尋ねた。
「おう!」
だから俺は、優奈に向かって笑顔でサムズアップした。
「えへへ……この服にしてよかった……」
「そっか」
「うん!」
ということで、俺達は楽しく雑談しながら駅へと向かった。
◇
「おーい、同志!」
駅に着くなり、君島の奴が恥ずかしげもなく笑顔で手を振っている。
や、男にそんな嬉しそうにされても響かないのだ。
それより。
「アレ? 四条と滝川は?」
俺は周りをキョロキョロしながら君島に尋ねる。
一応待ち合わせの十分前だから、まだ来てなくてもおかしくはないけど、四条はともかく、あの滝川は気合い入れて早めに来てると思ったんだけどなあ。
「ああ、四条同志は既に来ていて、今はコンビニで買い物をしているよ。で、滝川同志は、ひょっとしたら遅れるかもしれないって、さっき四条さんのスマホに連絡があったよ」
「あー、そっか」
などと平静を装ってはいるが、内心ではかなり驚いている。
や、だって四条と滝川、いつの間に連絡先交換してんだよ。
俺だって、まだ四条の連絡先知らないんだぞ?
ていうか。
「滝川が遅れるかもって連絡、優奈のところには来てないの?」
「ふえ? ア、アタシ?」
「おう」
何だかんだで、親睦カラオケで仲良くなった二人だから、むしろ滝川が連絡するなら優奈だと思うんだけど。
「えーと……あ、RINE入ってた……」
どうやら気づいてなかっただけらしい。
ま、そうだよな。
だけど……スマホの画面を見る優奈の表情が、若干寂しそうなのはなんでだ?
「おはようございます」
買い物を終えたらしい四条が、俺達のところへとやって来て挨拶をした。
だけど……俺は今、四条のその姿に釘付けだったりする。
や、だって、四条の今日のコーデは反則だろ。
ベージュのロング丈ワンピースに革のブーツでシンプルにまとめ、襟元の黒のリボンと赤のカーディガンでアクセントをつけている。
ハッキリ言って、俺の好みでしかない。
「? どうしました?」
四条がキョトンとしながら俺を覗き見る。
お、おっと……四条に見入ってボーッとしてた。
「あ、いや、えーと……」
ああもう、なんて言ったらいいのか分からねー……。
その時。
「ゴメーン! お待たせー!」
滝川が息を切らしながらやって来た。
や、滝川よ、ナイスタイミングだ。
だけど……滝川も気合い入ってるなあ……。
淡いベージュのキャスケットに淡いオレンジのブラウス、デニムのロングスカートに紺のスニーカーかあ。
コレに似たコーデ、確かジルコンエンジェルがしてなかったっけ。
などと考えていると。
「おお! 滝川同志! それはジルコンエンジェルたんと同じ服装じゃないか!」
「え、そ、そうなの?」
滝川の奴はとぼけてやがるが、狙い通り君島が食いついたんで、口元を思いっ切り緩めてやがる。
「よーし、それじゃ遊園地に向かおうぜ!」
いつまでもここにいても埒が明かないので、俺はみんなにそう声を掛けると。
「「「「おー!」」」」
おおう、みんなゴキゲンで拳を突き上げたぞ。
お陰で俺はたじろいてしまったぞ。
ということで、俺達は電車に乗って目的の遊園地へと向かった……んだけど。
「やあ、奇遇だね!」
……なんで益村の奴が、遊園地の入口にいるんだよ。
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次回は明日の夜更新!
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