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あらすじ(公募向け・ねたばれ含む)


 元暗殺者の詩人ラシュディは、勇者シャロムとの旅を冒険物語として綴っていたが、その最終巻を書かずに引きこもっていた。勇者が魔王に敗北し、自分だけ逃げ延びてしまった罪悪感があるからだ。

 しかし勇者を命の恩人として慕い、続刊を求めて押しかけてきた王女ディアナは、勇者の死を認めない。挙句、自ら魔王の城へ確かめに行くと決め、ラシュディを案内役として連行した。


 旅立って間もなく仮面の道化師に襲われ、ディアナは王家に伝わる女神の力“姫様パワー”で撃退。消耗した彼女をラシュディは守りながら、途中で出会った商人カレンと共に街を目指す。

 月を称える祭が催されている街で、道化師は魔物を連れて再度襲撃してきた。ディアナが魔物の群れを掃討する傍ら、ラシュディは道化師を止めるために動く。道化師の正体は、実は魔王に生かされ、操られているシャロムだったのだ。


 戦闘と説得によりシャロムを正気に戻した直後、魔王が姿を現わした。

 魔王に言わせれば、心は闇である。人間に心ある限り、闇を司る魔王には抗えない。

 ならば対抗できるのは女神の血を引くディアナだけ。しかし彼女はシャロムが本当は女だと知って傷心したうえ、カレンの裏切りに遭う。シャロムは自責の念に堪えられず逃走。さらに民衆が魔王に煽動され、ディアナとラシュディは追い詰められていく。


 孤立無援にすることが女神の力を封じる手段だと知っていた魔王は、最後にラシュディを操ってディアナから引き離そうとするが、ラシュディは寸前で正気を保ち反撃の機会を見出す。

 女神の末裔に相応しく気高いと自他共に認められなければ“姫様パワー”を使えない。“姫様パワー”が使えなければ気高い王女とは認められない。この矛盾に囚われたディアナを、ラシュディが再び奮い立たせた――女神の力が無くても、俺はお前を認めている。


 人間に心ある限り、必ず罪を犯す。しかし人間が神を裏切っても、神(王女)は決して人間を裏切らない――“姫様パワー”という格好悪い名前も、他人に認められなければ使えない仕組みも、王族が民を虐げないようにするための戒めなのだ。ディアナは民衆を諭して味方に戻し、極大の満月を背景にした神話級の気高さで、人間に罪を犯させる元凶である魔王を打ち倒してみせた。

 しかし瀕死で逃げ延びていた魔王は、シャロムを人質にして逆転を計る。だがラシュディは元暗殺者の経験から相手の魂胆を見抜き、ディアナの英雄的活躍を邪魔しないよう密かにとどめを刺すのだった。


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