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6話 テンプレだと勝つもんじゃねぇの!!??

戦闘描写の難しいことよ。

いや、テンプレはさ、初戦闘は勝つもんじゃないの?ねぇ?







バスチさんは腰を低くして、突っ込んで来た………のか?

気づいた時には俺は。





空を見上げていた。

「立ち上がりなさい。御説教の時間です。」

もう分かった。普通じゃあ勝てない。多少腕に自信があった。元の世界では色々あったからな。だが所詮平和ボケした日本の喧嘩闘法じゃあ通用しないって訳だ。

でも、今は違う。今は力がある。新しい、俺だけの力。あれほど願った力。


「変者」と「固定」

ずっと考えてた。どう使うのか。この力を。


「死なないで……くださいよ!!!!」

俺は起き上がらず、「変者」の能力で右腕をバスチの顎まで伸ばしフックを放つ。バスチは最低限の動きで避ける。驚きもせず。

「ん?珍しい闘い方ですね。まあいいでしょう。陽助様、素手というものは非常に殺傷力が低いのです。同時に手数も多くなり、敵の攻撃の防御が容易です。」


避けるのは分かってた。これからだよ。

避けられた右腕はそのままに、そのままの空間に親指の爪を「固定」。爪は剥がれるが必要経費だよ。左腕も使わなきゃな。左腕も伸ばそうか。

右腕と左腕を鞭のように扱い、バスチを翻弄する。してる、つもり。バスチは気にも留めず、俺の腕達を振り払っているが。

「つまり、殺しにくく、殺されにくい。」


だがバスチ、足元がお留守だぜ?

左腕足をこっそり伸ばし、バスチの足に引っ掛ける。バスチはバランスを崩し、固定された爪に頭を突っ込む。爪は動かない。どんな物理法則をも超越した「固定」の力。爪は頭を突き破り、その場にとどまり続ける。




なーんて、考えてた時代が僕にもありました。

腕の鞭まではよかった。うん。ギリギリね。まぁあんな強いバスチさんだもん。足引っ掛けなんかされる訳ないよね。

知ってた。もっと上手くやれた。悲しかったです(小並感)

掛けようとした足は踏みにじられ、蹴り飛ばされる。


「だから!!!いけないのです!!!殺さずの誓い?平和?甘い!!甘いのですよ!!」

「え」

「争え!戦え!血肉を貪れ!殺せ!進め!痛め!封じ!死ね!勝て!嬲れ!続け!攻め!苛め!虐げ!害し!一方的に!圧倒的に!絶望的な!絶対的な!殺戮を!戦争を!決戦を!我が主に誓い!!」

どうしよう、バスチさん変なスイッチ入っちゃった。本当にヤバい目をしてる。

「バスチ」

ミネアさんの落ち着いた声が。落ち着いた?落ち着いてなんてない。同じ目をしてる。バスチさんと。

「今は。」

「はぁ…はぁ…ふぅ……。すみません。私としたことが。」

「所詮あんたは主にだって」「ミネア様。」

ミネアさんの言葉は遮られる。

「………謝らないわよ。」

「構いません」

入りずれぇ……何この通じ合ってる感…

「あの……大丈夫ですか?」

「地べたに転がってる陽助様よりはましかと。」

「ですよね……」

「ですが、ご心配ありがとうございます。では、この闘い。いや戯れを評価致しますと、腕を伸ばした時は驚きましたが、それ以外は評価するに値しませんね。爪が宙に浮いていますが、これも能力ですか?何をしようとしたんですか?この程度の身のこなしで素手で闘うと?体を変化させる能力を手にし、変な気を起こしたのでしょうが、上手く使えぬ能力を使うより、剣の訓練でもして、一般兵にでもなったほうがまだ役に立つというものです。正直失望しました。」

厳すぃ~。メンタルブレイク。

「ですが、あなたの能力を見るに、素手の方が向いていそうな気もします。我々が求めているのは、一般兵ではありませんしね。」

「ですよね!?」

「当分は、陽助様の好きなようにやるのがよろしいかと。」

「分かりました!!!僕!素手でいきます!!」

「あんだけやられて?」

「はい!」

「大馬鹿ね。嫌い。」





そこは、「嫌いじゃないわ。」ってとこじゃないの…?

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