表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/7

一話 説明なんてなかった。

気付けば俺は、会議室にいた。



そんな馬鹿な。と思われるかもしれないが会議室なんだ。真っ白な長机、硬い椅子、ホワイトボード。

これが会議室じゃないとしたら何処だ?




椅子は四つ。そこに座るは男一人に女二人、中年の男は嬉しそうに、少女は醜いものを見るかのように、女性は優しく柔らか目でこちらを見る。

ホワイトボードの側にも一人。銀髪の女だ。

眩しい。その女は眩しかった。詩的な表現は得意ではないが、彼女はまるで女神のようだ。美しさの象徴だ。



なんて思っていると、優しい目の女性から声をかけられた。


「私は鈴山 愛理(スズヤマ アイリ)。あなたの名前は?」

この人も美人だ。この人の瞳は黒曜石のようだ。覗こうとすると自分の顔が映る。なんて醜い顔だ。こんな美女と顔を合わせて言い訳がない。

だが、答えないなんてもってのほかだ。


外山 陽助(ソトヤマ ヨウスケ)です。ここって何処なんでしょうか?」

つい質問してしまう。ここを知りたいという好奇心からか、この人ともっと話していたいという欲望からかは分からないが。


「それは、私が説明致します。」

銀髪の女神が言う。

「まず、あなたたち四人は勇者です。」

『「 え?」』

鈴山さんとハモる。

「あなたたちはこれから異世界に召喚され、「魔王」を討伐する旅に出るのです。ここはそれの説明場所といったところでしょうか。申し遅れました。私は「女神」アルギュロス。あなたたちに加護を与えるものです。」

『「マジで?」』

またハモる。

「マジです。」

そっか。

「トントン拍子でお話が進みますねぇ?ご質問、させていただいてもよろしいでしょうか。」

不気味な中年男が言う。

「いいえ。質問は控えて下さい。」

厳しめなんだ。女神様。

「異世界でのルールなど、「読者」の皆様は大体分かります。説明するとダレてしまいますので、説明はなしで。ご自分でご自由に学んで下さいね。」

「読者」って何?メタ発言?

「じゃあ召喚しちゃいますね。頑張って下さい。」

すばやいな。ほぼ説明0じゃん。説明場所なんだろここは?





辺りが真っ白になり、気付けば俺は視線が厳しい少女と一緒に、王城にいた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ