如月の唄
あきらめたくない
いつまでもここに居たい
嘘でも夢でもいいから
エメラルド色の冬の
終わりが来ませんように
かじかんだ指をからめて
期限の知れない恋をした
くだらなくてもまっすぐで
健全でないのに澄んでいて
溢れるほどに満ちていた
寒い寒いと甘えれば
しのび暖めてくれる人
好き愛してると問えば
世界中の誰よりもと
そう言ってくれた人
たしかなものは何もない
小さな子供をあやすように
つまりは本気などではなく
手のひらで転がされた私は
道化だったのだろうか
なくしたものも分からない
似合うと言われたピンクゴールドは
濡れたように輝いて
熱ばんだ私の
のどの奥を震わせ続ける
はらはらと落ちるもの
ひとひらの雪化粧は
不敏だと言われた私を
別々に生きるであろうあなたを
ぼんやりとただ見ていた
満月が泣いている
実らなくても側にいた
結ばれなくても愛してた
巡りめぐってまた逢えても
もう一緒にはなれないのね
やせっぽちで寂れていた冬
雪が溶けて終わりがきても
弱い私はあなたの名を呼ぶ。