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第二十二話

嗚咽一つもらさずただ静かに涙を流す佳。律斗はそんな佳にむかって両手を伸ばした。

それでもなお微動だにしない佳の頬にするりと手を滑らせる。


ここまできてようやくきょとんと律斗をみあげた佳の顔を包み込んで動かないようにすると、自分の額を佳の額と合わせた。


「!!??」


「ばーか」


律斗の角度によっては金にもなる綺麗な瞳が、くっつきそうな距離で優しく笑っていた。


「自分で言って自分で傷ついてんじゃねぇよ。俺の方が泣きたいっての」


咎めるような言葉でさえどうしようもなく優しい。


「泣きたいのは…『妹』で『親友』に嫌いって言われたから…?」


一瞬止まっていたはずの涙がまた溢れそうになって佳は律斗から視線を外した。


「・・・なあ、佳」


どうしようもなく大好きな声に名前を呼ばれて、反射的に再び律斗に視線を戻した。その瞬間、あまりにも強くて優しい眼差しに、身動きが取れなくなった。


「好きだ」


「何…いって」


「自惚れかもしんねぇ。佳が、俺のこと恋愛そういう対象でみてくれてるんじゃないかって、思いたいだけかもしれない。

佳が俺のこと恋愛対象としてみてなくても、本当に心の底から俺のことが嫌いだったとしても───


それでもずっと、佳が好きだ」




律斗の言葉が佳の心の中にことん、と落ちてきた。



ああ、これは嘘じゃない。本当だ



理屈ではない、ずっと律斗と過ごしてきた佳の直感が告げていた。



「ほんとに、嫌いなわけ…ないよ。自惚れじゃない。

妹としてでも親友としてでもなくて、リツが…リツだけがずっとずっと好き!」


さっきとは違った意味で溢れてくる佳の涙を、律斗が武骨な指で優しく拭う。


「自分の気持ちも伝えられないような臆病で、ごめんな。泣かせて、ごめん。


ずっと伝えたかった…好きだ」


初めて伝えられた、隠し続けてきた気持ち。


好きな人からもらった自分と同じ気持ちが、嬉しくて、自分も言いたいのに零れるのは涙ばかりで・・・


それでも、伝えたい───


「リツ、大好き!」


そういって笑った佳に、それは反則だろ…と律斗が顔を赤らめ唸った理由を佳は知らない。


『それでもずっと』を読んでいただき、ありがとうございます!


ようやく…!ようやく、くっつきましたー!!



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