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第二十話



クロウの溜まり場となっている廃ビルに着いた。



薄暗い建物、このなかに佳がいる───


そう思うだけで怒りが、焦りが律斗の足を速めた。





見張りの不良どもをなんなく蹴散らし、床にうずくまっている金髪の首を締め上げる。


「どこだ」


実に端的に問う、地を這うような声が体を震わせた。金髪の、決して低くはない身長が律斗の右手だけで空中に浮いている。


「ろ、廊下…つき、あたり…」


それだけを聞くと、だんだんと焦点の合わなくなってきた金髪をもう用はないと言わんばかりに投げ捨てた。


げほげほと咳き込む金髪には目もくれず、禍々しい殺気をまとって進んだ。


扉を開けるために手を上げるのももどかしくて、苛立ちを全てぶつけるかのように扉に足を叩きつけた。



もうもうと立ち上る砂煙がようやく落ち着いて部屋が見える。


部屋を見渡さなくても、すぐに見つかった・・・見つかったのは見つかったが、



「・・・はぇ?」



口からなんとも間抜けな声が出たのはしょうがないだろう。


「やっときたか・・・狼帝」とかなんとかドヤ顔で言ってる奴がいたような気がするが、今はそんな奴にかまっている暇はない。


「やっほー、リツ」


視線の先にいるのは、戦闘態勢の不良達の中、口をもぐもぐと動かし場違いなほどニコニコ笑っている佳だった。






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