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三途の川  作者: 紅p
10/11

走馬灯劇場 真実

 相模の周りの全ての泡ははじけた。

 すると、相模の周りの光景は、相模が大学四年生の時分へとなった。

 そして、そこは相模がサークル仲間との飲み会の帰りであった。

 酒が入り、上機嫌の相模の前に太牟田と、徳子が寄り添って歩いている。

 そして、微笑む徳子の目は星のように煌めき、太牟田を見つめていた。

 その徳子を見て、相模は徳子が好きになってしまった。

 と言うより、太牟田から奪ってやりたくなった。

 そして、次の日から相模は徳子を口説く事を始めた。

 だが、徳子は一向に相模に靡かない。

 一年経っても、相模は徳子と食事スラ出来なかった。

 そんな相模は苛立っていた。

 どうして、徳子は僕に振り向かない!?

 僕は顔も良く秀才で、国内トップ企業に就職が決まり、将来も約束されているんだぞ!!

 相模が悩んでいると、相模の母が傍に来た。

「龍三ちゃん、どうしたの? 何か、嫌な事があるの?」

「ママ!? 何でもないんだ!!」

「何でもない訳ないでしょう? さあ、ママに話してごらんなさい」

「うん、ママ……」

相模は、母に徳子の事を話した。

 話を聴き終わった相模の母は、相模にこう言い残し、部屋を後にした。

「後は、全てママ達に任せなさい。龍三ちゃんは、なぁ~んにも悩む必要なんてないのよ……」

 それから暫くして、相模と徳子の見合いが行われ、すんなり二人は結婚した。

 だが、この裏では相模の母の力が働いていたのだった。

 そんな事を全く知らない相模の目の前に、相模の母と、その父の会話の様子が、

まるで映画のワンシーンの様に流れて来た。

「お父様。お話があります」

「何だね、真純ますみ?」

「龍三ちゃんの事でして……」

 相模の母は、相模の悩みを話した。

 すると、相模の母の父、つまり相模の祖父は、かかっと笑い、

全て儂に任せなさいと優しく言った。

 そして、その映画のシーンは、まるで一昔前のフィルムが巻かれる様に、

カラカラと音を鳴らしながら進んだ。

 進んだ先の映画のシーンは徳子の両親と、相模の祖父、

それに、体格の良い男の秘書らしき人物が話し合っている場面となった。

「では、この申し入れ、承諾していただけると言う事で、宜しいですね?」

「は、はい! ですが、こちらこそ本当に宜しいのですか?」

「岡田さん。会長の方が申し入れているのですよ?」

「久保、皆まで言うな……」

 相模の祖父は、かかかっと笑い、秘書らしき人物と、徳子の父との話を終わらせた

 相模の祖父は多くの会社を経営し、その頂点に君臨していた。

 その会社の一つに消費者金融があり、徳子の両親はそこから多額の借金をしていたのだ。

 徳子の両親は小さな工場を経営していたが、その運営が上手く回らず、

借金しても、あと数か月もすれば倒産状態まで陥っていたのだ。

 そこでその情報を仕入れた相模の祖父は、その借金をチャラにする代わりに、

解く事、相模との縁談を持ってきたというわけだ。

徳子の両親は悩んだが、従業員を路頭に迷わす訳にもいかず、泣く泣く徳子を言い伏せ、

相模との縁談を了承させたのだった。、 

 だが、この縁談にはさらに裏の話がある。


ーー

どうしても

 「皆まで言うな」

  言ってみたい

だから言わせた

 三途の川で

     ーー   

 まあ冗談はさておき!

 次の話で最後です。

 この後の相模氏の運命や如何に!?

 最後までお付き合い願えれば幸いです 紅p☆



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