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第八話・初めての。

えろいとかそういう“初めて”じゃありません…笑




時計を見れば

もう8時40分だった。

あと……


20分……


―――――――――――


【明日9時に駅前の公園に集合ねー。ちゃんと来いよっ?】



―――――――――――


「う〜…緊張してきた」

初めての彼氏と、初めてのデート。


そりゃ緊張もしますよ!!時間が近づくにつれ私の心臓は速くなっていく。

ふと時間を確認すると、もうあと10分になっていた。


ていうか…

この格好で大丈夫かなぁ?


私は薄いピンクのワンピースに、軽く白いパーカーを羽織った。そして赤い、少しヒールの高いサンダル。

もう、夏に近いから暑くなる。

パーカーは今日で最後かな…。




「桜羽っ…ごめん!!待った?!」


「っ………」


那音を見た瞬間声がでなくなった。

「……?桜羽??」

「か……かっこいい…」

「えっ……?」

那音はびっくりした顔で私を見た。



―――ありゃ?


私、今…………


「か…かっこいいって言ってた……??」


「うん」


ぎゃぁぁああぁーーーーー!!!!!!


無意識だった!!!

本当に無意識だった!!!



「っ……!!ごめんっ」


謝ることしかできませんっっ!!!!!!



「……アホか。嬉しいに決まってんだろ……」


「えっ…」


―――う…わぁ……


那音は真っ赤だった。

初めて…こんな那音見た



「お前だって可愛いよ。ほらっ!!手!!」

そう言って那音は私に手をさしのべる。


「は…はぃ…」

なぜかわからないけど小さく返事をしてゆっくりと那音の手に私の手を重ねた。


那音は私の手が重なるとすぐに力を強くした。


那音の手は私が想像してたよりも大きくて、温かかった。


なんでこんなに

安心できるんだろうなぁ


**********************

「すげぇ!!見てっ桜羽!!サメ〜!!」


目をキラキラと輝かせて私に感動を伝えてくる那音。


意外な一面を知れたっ♪

「那音、小さい子たちの中に混ざっても自然…」

「うっせー!!…あっ!!ほらほらっ!!エイ!!」


可愛すぎ…

那音、すごい笑顔。((笑

思わずクスクスと笑ってしまう。



―――きゅるるる………



「…ぶっ……!!」


しまった!!

気を抜いたらお腹なっちゃったよ!!!

はずかしいっ…!!


「ちょ…笑わな……」



―――………


―――え…

な…

なんか今…口に入って…


「今はコレで我慢しなねー♪あーウケたっ」


口に………


―――――ハッ…!!


「っ…き、す………」


那音は私の口の中に一瞬の間にイチゴ味のアメを入れてきた。


あた……あたし……

あたしのファーストキス!!!!


なんて軽いキスなんだっ……!!


もっとこう、ロマンチックな…

「俺さ」

「えっ?」

いきなり那音が口を開いた。


そして振り向いて私の方を見た。


な……なんだろ……


「俺今の初キスだから」

「…うっそぉぉ!!!!」

「おいコラ…」

あ。

失礼だったかな。


だって…!!

女好きの那音が…!!


女好きの那音が……?!



私が初キスですと!?


「な…んだよ…変か?!」

「ちっ…違う!!!嬉しいよっ…!!」


………あ゛

つい勢いのあまり…

本音が………!!!


「可愛すぎ…まじ…」


那音は耳まで真っ赤になっていた。

「真っ赤…ですよ?」

「ッ!!うるさいっ…!!昼飯行くぞ」

そう言うと那音は私の手をひきながら歩き出した。



「何食べたい?」

「うーん……なんでもいいよ?」

コレと言って食べたいものはなかった。



結構迷いに迷ってうどんになった((笑



そのあとも那音の子供のような顔で私は癒されていた。


そしていろんなところを見回った。


定番のイルカのショーで那音のテンションは急上昇だった。



その子供のような笑顔


―――ずっと


ずっと


そばで


見てたいな



那音の隣で…



ずっと……


ずっと―――――



******************


ガタン…ゴトン…


「桜羽っ」

「……ん…?」

気がつけば電車の中。

隣には那音がいた。


「疲れたか?大丈夫?」

「ん…大丈夫……」……ウソです。

ものすごい疲れました。

「もう次の駅だから起きとけよ?」

「はぁい…」


那音は疲れないのかな…私はどっぷりだよ……

でも楽しかったなぁ。


「また…どっか連れて行ってくれる?」

小さい声で訪ねてみた。

那音は

「…あたりまえじゃん」

って笑ってくれた。



こうして

私の初彼との初デートは幕を閉じたのでした。




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