第十六話・新しい道
急展開ですねー…(T_T)
わけわかんなくて
本当すみません…(;_;)
体育祭も終わり秋が近づく。
あの日以来私は那音と話をしていなかった。
…したくなかった。
健太からの告白の答えも保留のまま。
ただただ……。
時は過ぎていった。
夏が秋に変わるみたいに
私の気持ちも健太に変わっちゃえばいいのに
って…何度も思った。
―――秋がきて
私の那音に対する気持ちは
薄れていっていた。
というか
ムリヤリ考えないようにした。
今はりっちゃんと仲良くやっているはずだから。
だから
私も新しい恋しなきゃって…考えた。
ただただ…
忘れるためだけに私は必死だった。
「さぁーわっ♪♪」
「う…ゎっ…!!」
後ろから光奈がキツく抱きしめてきた。
い…痛い。普通に痛い。
「あのさぁ、今日の帰りにカラオケ行こ♪」
「はいっ!?」
いきなりの発言に驚く私。
か…帰りって〜…。
別に構わないけど〜…。
「ん〜、おっけ☆光奈とふたり?」
「へ?瑠架もだよぉ☆」
……りっちゃんはいないんだ…。
そうだよね…。
光奈や瑠架は私に気遣ってくれてるんだよね…。
私、弱いね。
みんなに気遣われて…。
りっちゃんとは仲直りはしたけど必要なときしか話はかけられないし…。
……強がってるだけじゃ、強くはなれないよ…。
「ぉし♪じゃぁーまたあとで〜」
うん、と笑顔で光奈に返事をした。
**********************
カラオケboxの中。
キレイな光奈の声がよく聞こえる。
もうすでに1時間が経過していた。
な……なんかトイレ行きたくなってきたっ…!!
「ごめん、トイレ…」
そう、瑠架に耳打ちしてトイレへ向かった。
あれ…?
トイレってどこだっけ?
あんまりカラオケってこないからよくわかんない…。
私がウロウロしていると後ろから声が聞こえた。
「あれ?桜羽ー…だよね?」
「へっ…?」
振り向けばそこには健太がいた。
「あー!!やっぱり」
そういいながら近づいてくる健太。
と、その友達。
健太を除き5人いる。
その5人の中に私の最も見たくない顔が1人。
那音……。
なんで会っちゃうかなぁ…。
―――…最悪
「何やってんの?」
健太の声にハッとする。
「あっ…と…トイレわかんなくてっ」
「あぁ、それなら…」
「綾野さん〜…だょね?健太知り合い?」
いきなり違うクラスの知らない男子が声をかけてきた。
「…へ…ぁ…はいっ」
同い年なのに知らない人だから、なんとなくかしこまっちゃう私。
「ちょ、お前…」
健太の話を遮るようにして、男子が続ける。
「可愛くね?紹介してよっ♪」
そう言いながら私の頭を触ろうとした。
―――わっ…や…だ…!!
思わず反射的に目をつぶった
「触んなよ」
―――…へ……?
な…に……
ゆっくりと目を開けるとそこには今までしたこともない目で
その男子を睨んでいた。
―――健太…。
「け…健太?なにキレて……」
あからさまに動揺している、その男子。
「触らないで?俺の」
ドキンッ……
―――『俺の』
那音が驚いた顔でこっちを見ていた。
「ぁの…け、健太…?」
ドクン…ドクン…
那音がこっち見てる。
やだ…。
なんでこんなドキドキしてんの…?
「…こっち…来て」
ぐっと腕に力をいれられた。
そしてそのままどこかへ私を連れて行った。
グイグイ引っ張るばかりで、無言の健太。
その空気に耐えられず私は思わず声を出した。
「…け…健太っ」
すると健太はピタリと足を止めた。
「あの…ごめん…なさい…」
「……はぃ?!」
いきなり、しゅん…と捨てられたチワワのような顔で謝ってきた、健太。
か……かわいぃ……///
「なんで?助けてくれたじゃんっ?」
「…ゃっ…お…俺の…って……ば…バカな事を」
真っ赤な顔であたふたしている健太を見て思わず笑みがこぼれた。
「へっ?あぁ…大丈夫だよ」
むしろドキドキしました…なんて言えないけど。
「ん……ていうか…告白の返事まだ貰ってない」
ギクッ……
「あ…えと……」
「じゃぁー、わかった!!お試しで付き合ってみない?」
えっ………。
「…でも…私…健太の事…傷つけるかもょ…?」
傷つける。
今の私じゃ絶対に…。
「それでもいいよ」
「…へ…?」
迷いのない瞳で私に言った。
「それでもいい…」
そう言って抱きしめた。
―――もしかしたら…
健太なら
好きになれるかもしれない。
那音を……
忘れられるかもしれない。
傷つけるかもしれないけど
……もしかしたら
そんな期待が私を襲った。
「……傷つけたらごめんなさい……」
「…え…」
「……私で…いいの?」
――きっと
那音を忘れられる。
そう思いながら健太を抱きしめ返した。
「桜羽じゃなきゃ…だめ」
――トクン…
―――私
忘れられるかなぁ…?
ねぇ、健太。
ねぇ……那音…。
こ、こんな簡単に……
いいんでしょぉか…
(ノ△T)